
K社情報システムセンターのW室長が,山洋電気の営業担当に会ったのはそんな難題に悩んでいるときでした。「私が求めたのは,信頼性はそのままに電力および管理コストのかからないUPSはないものかということでした」(W氏)
営業担当者から返ってきた答えは,W氏のジレンマを十分克服するに足るものでした。それは,常時商用給電方式の低ランニングコストと,常時インバータ給電方式の高信頼性の2つを「いいとこどり」した「ハイブリッドUPS」の提案だったのです。
「ハイブリッドUPS」は,それ自体が長寿命設計であることに加え,電源の状態に合わせ自動的に最適な給電モードに切り替わる機能を持っているため,常に最も効率の良い運転を選択。こうした効率運転によって最大で47%*もの電力・CO2の削減ができるとのこと。信頼性とランニングコスト抑制の両立という,まさにK社が求めていた性能を持つものでした。
*当社従来品,常時インバータ給電方式UPS(1kVA)と比較
W氏は試験的に,まず数カ所の拠点に「ハイブリッドUPS」を設置し,実際の効果を検証。その結果,期待通り大幅な消費電力の削減を確認しました。また,電力だけでなく管理についても,多くの問題を解決できました。ファンは耐久性があるため交換不要。バッテリは自動的にチェックがおこなわれ,停電時に確実に動作する状態を保つので,以前のように肝心な時に動作しないという事故も未然に防げます。 「ファンやバッテリは長寿命設計ですし,UPSの状態は電源管理ソフトによって常に外部に表示されるので,安定した管理が可能となり,管理者の工数が30%も軽減できました。」(W氏)
さらにLANカードの使用によって,本社から全拠点の業務サーバのバックアップUPSを遠隔・一元管理することが可能となり,各拠点での煩雑な管理が必要なくなりました。現在はK社の全拠点でこの方法を採用しています。 「コストの問題以上に,企業責任としてBCPをきちんと構築したかった」と語るW氏。その願いはようやく叶えられたと言えるでしょう。