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解決事例
次期モデル開発の要は,「ステッピングモータ」の仕様。

解明できない現行モータの“謎”-最適なトルク・振動特性は?

情報・通信機器メーカーG社(従業員数:約700名)
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Solution
解決策・効果

最適なモータは,「使用環境に合わせた」検証から!

問題解決のための情報収集を続けていたW氏は,とある展示会で山洋電気のブースに立ち寄ります。他製品で山洋電気の冷却ファンを採用していることを知っていたW氏は,開発チームが抱える問題について相談を持ちかけます。そこで受けた回答は,「最適なモータ特性を決めるにはモータ単体だけでなく,装置の使用条件に合わせた検証が必要。」というものでした。
「現行モータの特性をふまえたうえで,次期モデルに最適なモータの提案をおこないたいとの申し出を受けました。この提案は非常にありがたいものでした。」(W氏)

わずか数日。的確な分析・検証により解明された,ゴムダンパーの“意味”

早速,山洋電気の営業担当は,設計担当者を同行しG社を訪問,次期モデルに最適なモータを選定するための情報・要求仕様などの打ち合わせをしました。さらに,現行モータとダンパーの解析試験に協力。実機と同等の負荷イナーシャを取り付けて擬似実機試験を実施しました。
「トルク特性」「速度変動(振動)特性」「温度特性」を測定し,現状の問題点と課題を明らかにしていきます。その結果,開発チームが必要性を測りかねていたゴムダンパーも,使用領域におけるトルク(振動)特性を改善するために取り付けたことが判明しました。山洋電気による解析結果は次のとおりです。

  • トルク特性=使用領域でのトルク性能が足りない。
  • 速度変動=使用頻度の高い領域で,速度が一定ではなく微妙な誤差が生じており,画質に多少の影響が出ている(ゴムダンパーが無い場合)。
  • ゴムダンパー=振動・トルク特性を改善するために取り付けられていた。コストアップの一因に。
  • 温度(発熱)=100℃近い高温になっており,製品寿命への影響が懸念される。

これらの解析結果によって,G社は次期モデルに必要なモータ特性の明確化にいたります。

サイズ変更なしで「トルク特性15%UP・振動50%低減・温度15%低減」を実現!?

山洋電気は,まず必要(要求)トルクを満たし,発熱面にも考慮したモータの設計に着手しました。そして量産時のリスクを回避するために,機械加工や組み立て工程の公差内で発生するバラツキ,経年変化やオイルの状態によって生じる負荷のバラツキを考慮し,それに応じた,最大・ターゲット・最小トルクのモータを試作し納品しました。これは,G社にて試作モータを評価する際に,それぞれの測定結果からわずかなモータ個体差から生じる影響を解析し,両社の量産品の設計にフィードバックするためです。
試作検証をおこなった結果,現在と同じサイズのままで,以下の性能向上が図れるという結論にいたりました。

  • トルク特性=15%UP
  • 速度変動(振動)=50%低減
  • 温度(発熱)=15%低減

速度変動(振動)の大幅な低減は,モータ自体の性能向上もさることながら,使用領域をモータの振動領域から外して使用するという山洋電気からの提案(*)によって実現したものです。それにより,ゴムダンパーが必要なくなりました。

「まさにステッピングモータを知り尽くした提案でした。単に既成の製品を当てはめるのではない,当社の要件にそったきめ細かい検証は驚きの連続でした。」(W氏)

(*)ステッピングモータは,モータの特性によってある速度だけ振動が大きくなります。その速度を避けて使用すれば,低振動で動作させることができます。

「印刷速度向上」「モータコスト削減」に成功-市場からも好反応!

G社は山洋電気製ステッピングモータの新規採用を決定しました。モータサイズはそのままにトルクUPを実現し,印刷速度を大きく向上させることに成功しました。また,オプションのゴムダンパーが不要になったことでモータコストも低減しました。

W氏はこう語ります。
「ステッピングモータに関する潤沢な知識,測定ノウハウ,そして当社の視点に立った的確なサポートによって,山洋電気には大きな力添えをいただきました。」

後に,G社は無事に次期モデルのリリースをおこないました。多彩な機能に加え,印刷速度の大幅な高速化はユーザーより好評価を獲得し,業務用プリンタ市場において大きな存在感を示すことができたといいます。

効果
  • 現行モータを,豊富な測定ノウハウと技術知識をもとに「使用条件に合わせて」検証し,課題点を抽出。
  • トルク・振動・コスト面まで加味し,次期モデルの要求性能を満たす「最適なモータ」を提案。
  • モータのサイズを変えずに,オプション不要でトルク特性15%UP,振動50%低減,温度15%低減を実現。

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