
B氏はまず,「期待寿命100,000時間」というのが,周囲温度60℃のときの期待寿命という点に注目しました。山洋電気の担当者にファンの耐久性について相談したところ,「周囲温度が15℃上がると,期待寿命は半分になる」という説明を受け,さらに詳しく話を聞くことに。
「従来のファンは,期待寿命と実際の寿命にかなりのギャップがありましたが,その理由が温度条件ということがはっきりわかりました。周囲温度60℃のときの期待寿命ということなら,山洋電気のファンを採用することで,高い耐久性が得られると期待できました。さらに,ラインアップのなかには期待寿命が200,000時間の製品もあることを知りました。200,000時間というと少なく見積もっても約20年は持つ計算です。装置寿命を上回り,通信機メーカーのメンテナンスコスト低減に貢献できると期待できました。」(B氏)
さっそくB氏は,評価用サンプルを取り寄せ,実機検証をおこないました。評価の結果,冷却性能は従来品と同等以上で,問題ないことがわかりました。さらに,工場監査のため,山洋電気の富士山工場を訪問します。その結果は,B氏を大きく満足させるものでした。
「冷却ファンなどの部品は,抜き取り検査だとばかり思っていましたが,山洋電気では,全数検査をおこなっていました。ほかにも,信頼性を向上させるための工夫がたくさんありました。」(B氏)
こうした品質への徹底的なこだわりが決め手となり,ほどなく同社は新たな携帯電話基地局用の電源装置において,山洋電気製「長寿命ファン」の採用を決定しました。
今回の採用についてB氏はこう語っています。
「山洋電気の長寿命ファンにより,高い信頼性を確保できたことで長期間の無保守運転を実現し,通信機メーカーのメンテナンスコストの大幅カットに貢献できるようになりました。今回,こうした信頼性の高い電源装置を開発できたことは,これからも当社の発展に大きく貢献してくれると期待しています。」