
F氏は,たまたま量産装置の定期サポートで訪れた山洋電気の営業担当者に,自社の抱える問題を相談しました。実機データを見た担当者は,さっそくF氏にクローズドループステッピングシステム「SANMOTION Model No.PB」への変更を提案しました。
翌日,担当者から提出された詳細なモータ選定結果を見ると,200Wのサーボモータでは予想通りオーバースペックであることが分かりました。また,サーボシステムをクローズドループステッピングシステムに置き換えることで,予想以上にトータルコストが抑えられることが分かり,驚きました。
「たしかにSANMOTION Model No.PBですと,高トルクな低速域を活用することでモータの小型化も図れますし,サーボモータに比べコストダウンも可能なので,最適の選定といえました。しかし,納期が迫っているためモータを置き換える時間がないことを伝えました。」(F氏)
これに対し担当者は,最適なスペックのシステムを短納期で納品することができる「短納期納品サービス」があるので,モータの置き換えは今からでも十分に間に合うことをF氏に説明しました。この“短納期納品”という提案に,F氏はさらに驚きました。
「山洋電気が即納対応できるとは思わなかったので,もともと候補に入れていなかったのですが…翌日には発送できるとのことで,これならお客さまの納期に十分間に合います。」(F氏)
F氏はサーボシステムからの置き換えを決断し,担当者に伝えました。その後,予定通り発注後わずか2日で納品され,納期内のスケジュールで実機テストをおこなうことができました。
「山洋電気の製品は,品質や性能・信頼性については高い評価をしていましたが,納期がかかると思い込んでいました。ですが,今回,さまざまな製品が短納期納品サービスに対応していることを知り驚きました。サーボシステム・ステッピングシステムだけでなく,ファンやUPSもラインアップがあるので製品選択の幅が広がりそうです。」(F氏)
こうしてW社では,負荷に合わせた最適なシステム提案により,コストダウン・搭載スペースの削減を実現することができました。また,高性能なサーボシステム,ステッピングシステムがタイムリーに納品されることで,開発工程全体の改善にも大きく寄与したといえます。F氏はこう語っています。
「今回の提案は,短納期納品サービスの対象製品に豊富なラインアップを持つ山洋電気だからこそ可能なものだったと思います。これまで,期間の短い製品試作などでは山洋電気を選定の土俵から外していたので,非常にもったいないことをしていました。今後,モータに限らずほかの部品についても相談していきたいと考えています。」