
検討に行き詰ったF氏は,解決策を求め訪れた展示会で,ファンの展示やデモをおこなっていた山洋電気のブースに立ち寄り,これらの課題を相談しました。
後日,K社を訪れた山洋電気の営業担当者は,課題を詳細にヒアリングしたうえで,φ175mm×69mm 厚の遠心ファンを1台搭載するという提案をしました。
「ご提案いただいた遠心ファンは,確かに従来使用していたファンより大きなものでしたが,従来2台使って出していた風量をたった1台で上回ることができると聞き,驚きました。詳しい内容を聞いてみると,従来より大きなファンを,回転数を落として使用することで,高風量を実現すると同時に騒音値も下げることができるとのことでした。さすが,ファンを知りつくした提案だと思いました。
また,このファンはPWMコントロール機能を持っています。状況に応じて回転数を簡単に制御できるので,騒音と消費電力を低減できることもわかりました。」(F氏)
F氏は実機評価のため,山洋電気に評価用サンプルを依頼しました。
「同時に検討していた他社製品はサンプル納品に2ヶ月かかるとのことでしたが,山洋電気はわずか1週間でサンプルを用意してくれたので,速やかに試作機製作に取りかかることができました。また,その高い信頼性について,裏付けとなる信頼性試験や寿命試験などのデータを提出してくれたため,エンジニアたちの不安も一掃され,スムーズに評価を進めることができました。」
こうして社内検証を十分におこなった後に,K社は山洋電気製「遠心ファン」の高い信頼性を認め,採用を決定しました。製品出荷前に“全数検査”を実施していることも,決定を後押ししたと言います。
数ヶ月後に完成した試作機は,期待通り吸引力アップを達成するとともに,省エネ化,低騒音化も同時に実現しました。K社はほどなく新モデルの量産に入り,販売を開始しました。
今回の採用についてF氏はこう語ります。
「ファンの性能もさることながら,ポイントを押さえた提案やスピード感ある対応に感謝しています。心配していたサポートもきちんとしていただけたので,力強いパートナーを得ることができたと思っています。」