
課題解決のために情報収集を続けていたI氏は,他の部門で付き合いのあった山洋電気にこうした課題を相談します。
後日,訪問した山洋電気担当者は,仕様を確認しI氏より課題点を詳細にヒアリングした後に,まずオープンネットワーク「EtherCAT」対応のACサーボシステム「SANMOTION R ADVANCED MODEL」を提案します。
「FA分野を中心に広く普及している『EtherCAT』は汎用性が高いので,ICの製造中止で設計変更に追われることはなくなります。また,EtherCATを介してサーボシステムに最適なパラメータを設定できるため,装置の大幅なサイクルタイム向上が見込めました。」(I氏)
さらに山洋電気担当者は,サーボシステムに加えて,装置のなかでストロークが短い軸にはクローズドループステッピングシステム「SANMOTION Model No.PB」を使用することで,トータルコストも低減できると説明。この提案にI氏は満足します。
「通常のステッピングシステムより高速で信頼性が高く,加工の品質を維持しつつシステムをコストダウンできると見込めました。」(I氏)
提案に納得したI氏はさっそく評価をおこなうことにしました。その際,山洋電気は評価用サンプルを短納期で納品するとともにN社に対して技術的なサポートも実施しました。
数ヵ月後に試作機は無事に完成。その結果,当初の課題を十分にクリアできると判断したN社は,正式採用を決定し,ほどなく新モデルの量産に入りました。
今回の採用についてI氏はこう語っています。
「満を持してリリースした製品はお客さまより大変高い評価をいただいております。当初の目標を達成できたのは,仕様を十分理解した的確な提案のおかげと考えています。山洋電気には手厚いサポートもおこなっていただき,開発チーム一堂感謝しています。」