
情報収集を続けていたT氏は,これらの課題を山洋電気の営業担当者に相談することで解決策を見出します。
「はじめはファンの振動に関する相談をしたところ,山洋電気のファンに置き換えるだけで振動を低減できるという提案をいただきました。振動しにくい構造上の工夫や製造工程でのバランス取りに加え,高い組み立て精度により低振動化を実現しているなど,具体的な説明を聞いて興味をもちました。防犯カメラシステムには,熱に弱い部品が搭載されているので,冷却用のファンは非常に重要な役割を果たします。開発製品の画質と性能のバランスについてとても悩んでいましたが,山洋電気のDCファンなら,十分な冷却性能と振動の課題がクリアできると期待できました。」(T氏)
また,提案されたファンがPWMコントロール機能つきのファンだったことから,一度断念したコントローラ回路の開発についても相談したところ,山洋電気の営業担当者から基板タイプの「PWMコントローラ」を提案されました。
「『San Ace PWMコントローラ』は,ファンと接続するだけで簡単に使えるところに驚きました。サーミスタという温度センサにより,感知した装置内の温度に合わせ,ファンの回転数が自動的にコントロールされるので,風量を必要としない夜間などの騒音をさらに30db低減できました。」(T氏)
こうしてO社は,社内評価の後に山洋電気製DCファンと基板タイプのPWMコントローラの正式採用を決定。
「必要に合わせた回転数にすることで結果的に消費電力も1/5にカットでき,低振動・低騒音に加え,さらに省エネ性能を持った高画質防犯カメラシステムの開発を進めることができました。当社の要求に合った提案で,期待していた以上の性能の装置を開発することができました。感謝しています。
セキュリティ機器への要求は高度化の一途をたどっており,今後も開発競争は激化していくと思われます。山洋電気には,これからも最適な提案を期待しています。」(T氏)