
解決事例
分析装置のサイクルタイムを短縮したいが,モータの脱調・発熱が問題に
クローズドループステッピングシステムへの置き換えで課題解決!
生化学自動分析装置メーカーF社 (従業員数:約700名)
装置の制御部の冷却には,山洋電気のファンを使用していました。そこで,T氏は,熱対策のアドバイスをもらうために,山洋電気に相談することにしました。装置の要件を詳しく確認していくなかで,担当者からは,モータの置き換えを提案されたのです。
「モータの発熱を抑えるために,クローズドループステッピングシステムが有効との提案を受けました。クローズドループステッピングシステムは,ステッピングシステムと異なり,サーボシステムのようなフィードバックループが組まれています。
そのため,負荷に応じて必要なトルクを制御し,必要な分だけ電流を流すようになっており,発熱も最低限に抑えられるということでした。また,位置ズレの原因となる脱調の心配もないので,経年変化による負荷変動にも強くなり,装置としての安定性が期待できます。」(T氏)
山洋電気の担当者からさらに詳しい説明を受け, T氏はさっそく試作機で評価をおこないました。
「もともとパルス列入力タイプのドライバを使っていたので,上位装置と接続するための駆動プロファイルを変更することなく,現行のステッピングドライバから簡単に置き換えることができました。そして,目標としていたサイクルタイムの短縮に成功したのです。
山洋電気の提案のおかげで,予定どおりに新モデルを製品化することができました。さらに,クローズドループステッピングシステムは,低振動なので騒音が抑えられるというメリットも得られました。」(T氏)
F社ではこれまでの装置には主に,ステッピングモータを採用していました。
「今回の開発を通して,クローズドループステッピングシステムのさまざまなメリットが分かったので,今後は他の装置にも水平展開したいです。」とT氏は語っています。