TECH COMPASS
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コラム
山洋電気の歩みと技術革新(22)

変化を創り出す技術 クーリングシステム

History
歴史

当社の製品ラインアップは,ACファンから始まり,DCファン,長寿命ファン,PWMコントローラなど多岐にわたります。
今回は,その中でも耐環境に特化した耐久ファンシリーズの「長寿命ファン」について,市場に変化を創り出した状況と製品に採用された技術を紹介します。

長寿命ファンの開発背景と市場変化

耐久ファンシリーズの第一弾として,1991 年に長寿命ファンが発売されました。

開発当時,装置寿命の長い電話交換機などの通信装置では,ファンの寿命が装置寿命より短いため,3 年~5 年で交換をおこなう必要があり,多大なメンテナンス費用が発生していました。そのため,ファンの長寿命化をはかり,装置をメンテナンスフリーにしたいというお客さまの強い要求に応える形で,長寿命ファンを開発しました。

長寿命ファンは,装置のメンテナンスフリーに貢献できるため,製品の信頼度を高めたいお客さまからの需要が広がりました。今では,365 日24 時間シャットダウンを許されない高信頼性サーバや公共サービスに関係する交通機関,金融機関の情報処理装置,医療機器など,開発当時にはなかった新たな市場の装置にも採用が広がっています。

長寿命ファンの特長と採用技術

装置内のファン交換を必要最小限にするために,長寿命ファンの期待寿命を当社標準ファンの2.5 倍(*)以上に向上しました。
長寿命を実現するために,耐久性を向上した材質のマグネットなどを採用し,経時変化の少ない部品材料を選定して採用しました。
また,軸受寿命は温度上昇によるグリース劣化が主要因であるため,フレームは熱伝導性に優れたアルミダイカストを採用し,モータは回転効率を改善し温度上昇を抑え,軸受は加重低減やグリースの見直しをおこないました。
これにより,軸受寿命の向上をはかり,モータ駆動回路の使用率を低減し,信頼性を高めました。

長寿命ファンと標準ファンの期待寿命は下記となります。

山洋電気はこれからも市場のニーズをいち早く収集し,これまで培ってきた技術と新たな技術の開発により,ニーズにあった特長のある製品を開発することで,新たな需要の変化を創り出していきます。

*100,000 時間,L10,60°C,定格電圧,フリーエアー。

公開日: 2018-12-10 00:00