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山洋電気の歩みと技術革新(27)

DCサーボモータ SANMOTION K シリーズ

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History
歴史

当社DCサーボモータは60 年以上の歴史を持つ製品です。近年では三次元測定機に代表される精密測定機器や医療機器向けにも使用されています。これらの用途には,測定精度向上のために,モータの速度変動と温度上昇の低減が必要です。また,人の近くで動く機械のため,低電圧仕様および低騒音化も必要です。このような製品性能を安定して発揮できる「SANMOTION K」の特長を紹介します。

コギングトルクの低減

コギングトルクはモータ回転時の速度変動や機械装置の振動騒音の要因になります。装置の性能向上に貢献するために,大幅なコギングトルクの低減を実現しました。
図1はコギングトルク波形の比較を示しています。「SANMOTION K」シリーズのモータは,いずれのフランジサイズにおいてもコギングトルクを従来品の1/2 以下に低減しました。

コギングトルク波形の比較

図1 コギングトルク波形の比較

トルク特性を維持しながらコギングトルクが最も小さくなるように,マグネットおよび電機子鉄心の形状を最適化しました。また,電磁鋼板の積層方法を工夫するとともに,マグネットを自動で貼り付ける工法を採用し,安定した品質の提供を実現しました。
このように開発の初期段階から,製品設計と生産ライン設計を同時に進め,製品性能のみならず製造技術も工夫しました。

損失低減による効率向上と低発熱化

一般に,スロット内の巻線占積率を高くすることで,銅損を低減することができます。また,DCモータでは,ブラシと整流子の機械的な摺動にともなう機械損が発生します。「SANMOTION K」では,巻線占積率を高めて,銅損を減らすとともに,ブラシ材質とブラシ本数の最適化をはかることで機械損を低減しました。

図2 にフランジサイズ42mm角60Wの損失とフレーム温度上昇値の比較を示します。従来品に対し損失を31%低減したことにともない,フレーム温度上昇値は25%低減しつつ,モータ効率は約10%向上しました。
このように,高効率で温度上昇が低いので,装置への温度の影響が少なく,装置の省エネルギー化にも貢献できます。

「SANMOTION K」は,高効率でトルク変動が小さく,温度上昇も低いモータで,装置の性能向上や新しい価値の創造に寄与できる製品です。今後も,DCサーボモータならではの使いやすさを追求するとともに,製品設計技術と製造技術の融合をはかり,これまでの用途に加えて,新たな用途や市場の要求に応えていきます。

損失および温度上昇値の比較

図2 損失および温度上昇値の比較
(フランジサイズ42mm角60W定格出力時)