設計第一部
濱 武
設計第一部
石田 誠
設計第一部
小林 隆
設計第一部
犬飼 将弘
「SANUPS P73K」は,10kWのパワーコンディショナユニット,10kWの充電ユニット,入出力箱の組み合わせで構成されています。この製品の特長は,リチウムイオン蓄電池と接続し,夜間電力を充電することで,昼間のピーク時の電力使用量を削減する電力ピークカットの機能があることです。また,災害時には非常電源としてもお使いいただけます。
新しい機能として,蓄電池側と双方向コンバータを組み合わせたことで,従来機種できなかった細かい制御ができるようになりました。
外観の特長としては,10kWのユニットを積み上げる構造によって,省スペース化を図ったことです。10kW~60kWまで10kW刻みのラインアップとなっています。
また,太陽電池だけのシステムを組みたいというお客さまに対しても,充電ユニットを外した,連系自立タイプもラインアップしています。
従来の機種では,太陽電池と蓄電池が直結していました。蓄電池の電圧は一定なので,直結すると決まった電圧になってしまいます。ところが,太陽電池は日照によって最適な電圧が変動します。「SANUPS P73K」は,太陽電池を最適な電圧で動作させながら,同時に蓄電池の充放電を細かく制御することができます。
2012年からFIT(固定価格買取制度)が始まり,太陽光発電市場がすごく盛りあがったのですが,売電価格が年々下がってきたため,売電のメリットが打ち出せなくなってきました。
そこで,まずひとつは電力を貯めてそれを使ってみようじゃないかと考え,蓄電池を使ったシステムを作りました。太陽光は基本的に昼間しか発電しないので,夜は使えません。昼間発電したものを貯めておいて,夜使うなど,ピークカット,ピークシフトが実現します。契約電力は電力のピークで決まるので,ピークを抑えれば電気代も安くなります。
「SANUPS P73K」には「連系モード」「充電モード」「ピークカットモード」「自立モード」という4つのモードがあります。ですが実際は,それぞれのモードは独立しているわけではありません。ピークカットモードでも太陽電池が十分に発電しているときは蓄電池から電力を取らなかったり,昼間でも蓄電池側に充電をかけることができます。太陽電池が発電しているときはいいのですが,発電していないときもありますので,実際のモードはとても複雑で多岐に渡ります。
実際にやってみると想定外の動きがたくさんあって,やりながら詰めていくところも多く苦労しました。
もちろん,さまざまなパターンと状態で事前のシミュレーションはやってみたのですが,実際の製品ではコストの問題も重要です。
ハードで解決できれば簡単なのですが製品の品質を保ちつつコストを抑えるのに非常に苦労しました。
やはり,ビルドアップの苦労というのはあるんですよ。積み上げ構造では,発熱体が積み重なることから温度の上昇が問題になります。
空気が効果的に流れるように作ると,今度は音の問題が出てきます。そこで,音を漏らさないように冷やす工夫をしています。
構造設計では限られたスペースに,お客さまの操作性を確保しながら,回路や信号線を機能的に配置しなければなりません。とりわけお客さまが配線を接続する入出力箱はたくさんの信号線が集まるので大変でした。
最近は,太陽光発電市場の変化が激しいので,これからの開発はどうあるべきかを考えています。また,グローバルな製品,お客さまのニーズに合う製品,お客さまにこれはいいね!と言っていただける製品を考えています。
お客さまに喜んでもらえるような製品を作っていきたいです。当社の製品を使っているお客さまからお褒めの言葉をいただいたり,思いもよらないうれしい声が聞けたり,そういうのはとても誇りに思います。これからもそんな製品を作っていきたいです。
お客さまにとって使いやすい製品を作っていきたいです。やはり自分が作った製品が売れると嬉しいです。需要があるもの,お客さまのニーズに合う製品を作っていきたいです。
市場が変化しているので,今までのやり方を変えていかなければならないと考えています。私が最初にやったのは基板の設計です。実績のある回路基板をさらに改良していきたいです。また,これから新しいこともできるようになりたいです。
お客さまのご要望は多岐に渡ります。カスタマイズのご要望にもお応えできるよう,柔軟性をもった製品を作ってまいりました。お客さまの求める最適な製品を提案できると思います。ぜひ,採用のご検討をお願いいたします。
公開日: 2018-01-18 00:00