医療用検査機器メーカーのK社では,このほど医療用検査装置の新モデル開発に乗り出していました。
K社開発部のD部長は課題について,つぎのように語ります。
「医療用検査装置の小型化は競争力強化における,重要なポイントとなっています。新モデルでは,性能を維持したまま装置を小型化することは必須です。従来のモデルでは60mm角25mm厚の冷却ファンを採用していましたが,装置の小型化にともない,現行のファンを搭載するスペースを確保することができませんでした。そこで,現行のファンの冷却性能を維持するより小型のファンを探す必要がありました。」(D氏)
K社開発部では,条件に満たすファンをカタログやホームページなどで探し続けました。
D部長はとある産業用機器の展示会で山洋電気のブースを訪れました。山洋電気の担当者に課題を相談したD部長は,後日詳しく話を聞くことにしました。
打ち合わせ当日,山洋電気の担当者はエアフローテスターを持参し,試作機の測定を実施しました。
「もともと使っていたファンよりも小型のファンを,カタログやホームページなどで探しましたが,同様の冷却性能を持ったファンはなかなか見つかりませんでした。
今回,エアフローテスターで当社の装置を測定していただき,冷却ポイントを割り出してから最適なファンの選定をおこなうことで,当初カタログ選定で候補から外れていた山洋電気の60mm角10mm厚のファンでも十分冷却できることがわかりました。というのも,ファンを装置に実装した場合の冷却性能は,装置の実装密度によって変わるため,カタログだけでは判断できないそうです。
このファンであれば,現行モデルのファンに比べ厚みを60%削減でき,小型化した装置のスペースでも搭載できます。」(D氏)
D部長は,さっそく「短納期サービス」でサンプルを取り寄せ,実機評価を実施しました。その後,K社は60mm角10mm厚のファンの正式採用を決定しました。装置の開発は順調に進み,完成した新モデルは期待通り,大幅な小型化に成功しました。
「開発期間が限られている中で,サンプルがすぐに入手できたのは大変助かりました。実機評価をおこなった結果,60mm角10mm厚のファンで,求める冷却性能を満たすことが確認できました。エアフローテスターでの測定など,山洋電気の柔軟な対応には感謝しております。今後もいろいろと相談していきたいと思っています。」(D氏)
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