各種電子計測器の製造・販売をおこなうH社。同社ではこのほど,製造ライン組み込み型の分光装置について,小型化に向けた仕様見直しをおこなっていました。H社設計開発部のN部長はこう語ります。
「製造ラインのコンパクト化を図りたいというニーズに対応するため,次期モデルでは,分光装置の小型化を目指すこととなりました。そのため,装置内の回折格子を動かすステッピングモータを現行の20mm角より小さなサイズに置き換える必要が生じたのです。」
「分光装置は,さまざまな波長を含む光源を波長に応じて分ける装置です。装置内の回折格子を回転させ,スリットで取り出した単色光を,試料に通して光測定器で分析します。きれいな単色光を取り出すため,小さなスリット幅でも対応できるよう,回折格子の駆動用モータは精度がとても重要となります。」(N氏)
早速情報収集を始めたN氏ですが,要求を満たすモータはなかなか見つからず,開発期限まで時間の余裕がなくなっていることも悩みの種となっていました。
分光装置の精度を保ちつつ小型化を実現できるモータを探し,複数のメーカーに問い合わせをしていたN氏は,山洋電気とコンタクトを取り,こうした課題を相談しました。
N氏の相談を受けた山洋電気担当者はさっそくH社を訪問し,14mm角2相ステッピングモータ「SANMOTION F2」を提案します。
「他社製品もいろいろと検討していたのですが,このサイズのHB型ステッピングモータを取り扱っているのは山洋電気だけでした。現行機種の精度を保ちつつ小型化を図れると確信しました。」(N氏)
H社は早速サンプルを取り寄せて評価を実施しました。
「当該製品は“短納期納品”の対象製品だったので,発注の2日後にはサンプルが届き,速やかに評価に入ることで,なんとか期間内に試作品の完成にこぎ着けました。精度も申し分なく十分仕様を満たすことができました。今回の課題を理解した提案に感謝しています。」(N氏)
山洋電気製ステッピングモータの正式採用を決定し,予定通り新型分光装置の量産に入ったH社。山洋電気の課題解決に向けた迅速な対応は,社内から高い評価を得たと言います。
「山洋電気のモータはラインアップが充実しており,今回の“小型化”に限らず,多様な要求に応えてもらえることを知りました。今後はサーボシステムの採用なども視野に入れたいと考えており,その際にはまた相談に乗ってもらいたいと思います。」(N氏)
ステッピングモータについて詳しくは「ステッピングモータとは? 仕組み,種類,使い方(駆動方式・制御方法),メリットや特徴を解説」もご覧ください。
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