業務用の撮影機器,音響機器などの製造・販売をおこなうA社。同社はこのほど,LEDやレーザーなどの固体光源を搭載した業務用プロジェクタの開発に取り組んでいました。A社研究開発部のD部長はこう語ります。
「開発にはいくつかの技術的な課題を抱えていました。その一つは,開発中のレーザー搭載モデルの冷却システムについてでした。
レーザー光源は比較的発熱が少ないとはいえ,長時間使用するとプロジェクタの内部が非常に高温になります。レーザー光源は熱に弱く内部に蓄積した熱が不具合の原因になるため,効率的な冷却が欠かせません。このため,ファンは高温環境下でも長期間動作することが必須条件でした。」
加えて,業務用プロジェクタは通常よりも遠い距離で投影をおこなうため少しの振動でも映像に影響します。そこで,より厳しい低振動性能が求められました。D氏らはこれら要求を満たすファンを探し,情報収集を進めました。
「開発中のモデルは,業務用プロジェクタ事業の拡大を図る布石ともいうべき製品でした。お客さまのニーズに応える製品を作るため技術面での妥協はしないと,スタッフ一同意気込んでいました。」(D氏)
D氏は情報収集を続けるとともに山洋電気にコンタクトを取りました。課題を相談すると,「San Ace 耐温ファン」を提案され,解決の糸口を見つけます。
「このファンは+85℃の高温環境でも40,000時間(*)の期待寿命を持っているところに惹かれました。これは業界トップクラスの耐温性能だそうです。40,000時間もあれば,ファンのメンテナンスを考慮する必要もなくなります。」(D氏)
* L10:残存率90% 85℃,定格電圧,連続運転,フリーエアー状態
提案に満足したD氏はサンプルを取り寄せ,実機評価に着手しました。
「評価をしてみると,懸念していた振動性能についても問題ありませんでした。フレームの材質がアルミニウムを使用しているため剛性が高く,振動が低減できる点も高い評価に結び付きました。また,装置の仕様に合わせてコネクタやリード線などの,カスタマイズやきめ細かなサポートをおこなっていただきました。ほかのメーカーにはないフレキシブルな対応に非常に驚きました。」(D氏)
こうして十分に要件を満たせることを確認したA社は,山洋電気製「San Ace 耐温ファン」の採用を決定しました。
「無事に新モデルの開発を終えることができました。今回の製品に限らず,次期開発製品にも同じファンの採用を検討しています。山洋電気には引き続きいろいろと相談したいと思っています。」(D氏)
耐温ファンについて詳しくは「防水ファン・防油ファン・耐温ファン・耐Gファンの特徴」もご覧ください。
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