DCサーボモータの事例｜103｜制御系システムはそのままで，不具合頻発のサーボモータを置き換えたい！

課題

サーボモータの品質にばらつきがあり，組立不良が多発している。
サーボモータ以外の制御系システムは流用したい。
技術的なサポートが必要。

効果

高品質のサーボモータ「SANMOTION K」を採用し，組立不良を解消。
技術サポートチームによるスピーディな選定と提案。
カスタマイズ提案により，制御系はそのままでサイズ変更せずにサーボモータの置き換えを実現。

eコマース市場の拡大にともない，多種多様な商品の取り扱いや当日出荷，当日配送が当たり前となった物流業界では，慢性的な人手不足により常に作業の合理化が求められています。
「無人搬送ロボット（AGV：Automated Guided Vehicle）」は，倉庫内作業の効率化や省人化，無人化に欠かせない設備として期待が高まっており，メーカー各社は新たなモデル開発にしのぎを削っています。

Problem

制御系システムはそのままで，不具合頻発のサーボモータだけを置き換えたい！

物流業界向けに各種AGVを製造するE社。主力製品のひとつに，棚を持ち上げて移動するAGVがあります。このAGVはモデルチェンジ直後から，組立不良が発生するようになっていました。同社開発設計部のF部長はこう説明します。
「回転テーブル部分に採用したサーボモータの品質に問題があり，組立不良が多発していました。早急に品質向上を図りたいので，信頼できるメーカーのサーボモータに置き換えようと検討を始めました。」

置き換えには技術的なサポートが必要。

しかし，ここで技術者たちの頭を悩ませる問題が発生しました。
「コスト面の制約から置き換えはサーボモータだけしかできません。そのため，現行のアンプなどで制御できるサーボモータが必要でした。しかし，われわれだけでは限界があり，モータメーカーの技術的なサポートなしではサーボモータの置き換えは困難でした。」（F氏）
納期が迫るなか，E社エンジニアたちは対策に奔走していました。

Solution

徹底した検査による高品質のサーボモータを採用。

解決策を探していたF部長は，とある技術展示会に参加した際に山洋電気のブースを訪れ，担当者に課題を相談しました。
「山洋電気では製品の全数検査を徹底しておこなっており，安定した製品を提供していることから信頼できるメーカーだと思いました。山洋電気の製品を採用することで品質についての課題は解決できると考えました。」（F氏）

技術サポートチームによるスピーディな選定と提案。

後日，山洋電気の営業担当者は技術サポートチームとE社を訪れました。技術サポートチームは課題をヒアリングし，現行製品の仕様を詳細に確認したのち，DCサーボモータ「SANMOTION K」をベースに提案をおこないました。
「営業だけでなく技術者と直接話ができたので，より細かな要望を伝えられ，スムーズにモータの選定を進めることができました。サーボモータの評価についても，試作品を実機に搭載し，動作確認しながらサーボモータを調整していただいたので順調に進みました。AGVは棚を持ち上げて移動するので安定した動きが求められますが，提案してもらったDCサーボモータ『SANMOTION K』なら，滑らかで安定した動きを実現できそうでした。」（F氏）

カスタマイズ提案により，制御系はそのままでサイズを変えずにサーボモータの置き換えを実現。

また，技術サポートチームによる細かなカスタマイズ提案も，F部長を満足させました。
「制御系はそのままでサーボモータだけの置き換えができるかは不安でしたが，DCサーボモータ『SANMOTION K』なら制御系は今までの環境で使うことができる点も魅力でした。さらに，私たちの望む性能を満たせるように，エンコーダのカスタマイズをおこなってくれました。その結果，現行のシステムのままでモータサイズを変えずに置き換えが可能になり，技術者一同ホッとしました。」（F氏）

E社で実施した実機評価の結果は期待通りで，正式採用が決定しました。
山洋電気はその後もサポートを継続し，E社は無事にサーボモータの置き換えを実現させました。
「サーボモータ置き換え後は組立不良がなくなり，順調に生産が進んでいます。山洋電気には，高品質な製品とスピーディな提案，さらに技術サポートにより，われわれだけでは困難だった技術的課題を解決していただきました。これからも相談させていただきたいと思っています。」（F氏）

公開日：2020-05-01 00:00