お客さまプロフィール 会社名 株式会社 三光製作所 事業内容 各種刃物研磨機製造,販売/三光研磨機用砥石製作,販売/角砥石製造,販売 URL |
食肉を骨から剥がしたり,スライスしたりするのに使用する「丸刃」は,食品加工に欠かせない道具の一つです。刃物用研磨機の製造・販売をおこなう株式会社三光製作所では,顧客の食品加工会社より,丸刃の研磨について相談を受けていました。石田氏はこう説明します。
「丸刃は使用するたびに研磨が不可欠なので,毎日膨大な量を研ぎ,研磨機には常に人がつきっきりになります。また技術指導をおこなっていても,人によって研磨の精度にはどうしてもバラツキが生じます。折からの人手不足もあり,なんとか精度を保ちながら効率化できないかと相談を受けていたのです。」
同社は装置の自動化を検討しますが,経験不足から壁に突き当たります。
「自動化にあたっては,研ぎ石に刃物を近づける手の動きや,押しつけの際のレバーの強弱など,ベテランの技を機械で再現する必要があり,これを実現するためのモータ選択やソフト作成などは当社にとって難題となっていました。協力機器メーカーへの依頼も検討しましたが,そうすると自社にノウハウが蓄積できないばかりか,そのメーカーの製品となってしまい,自社製でないとアフターサービスも外注せざるを得ません。」(石田氏)
あくまで「三光製作所製」としての製品化を望んでいた同社は,開発をサポートしてくれるメーカーを探していました。
三光製作所は,国際食品工業展「FOOMA JAPAN」にて,6軸多関節のデモ機を出展していた山洋電気に,課題について相談します。
相談を受けた山洋電気は,三光製作所の技術力を総合的に判断したうえで,山洋電気がサプライヤとして部品の選定とサンプルプログラムを提供し,実際の加工・組付けは三光製作所がおこなうという提案をしました。こうすれば,最終的な製品は「三光製作所製」となります。
三光製作所は,さっそくサポートを依頼しました。
山洋電気は,アフターサービスを同社でおこなうことを考慮し,できるだけ簡単な方法で問題解決が図れるようサポートを実施しました。
「研ぎ石に刃を近づける人の手の感覚は,XYZ軸に押しつけ用の機構を加えた4軸駆動により再現しました。また,レバーによる押しつけの微妙な調整は,電流値でトルクの制限をかけて優しく押さえつけられるようにすることで解決しました。こうしたアドバイスには,モータメーカーならではの工夫が随所に見られました。」(石田氏)
また,モータの優れた特性も自動化実現に貢献しました。
「選定していただいたリニア駆動のステッピングモータは,ステッピングモータとボールねじが一体化し,非常にコンパクトでした。また上下左右の動きは4軸一体のドライバ1台と小型のモーションコントローラ「SANMOTION C S100」1台で制御できたため,複雑な仕様にもかかわらず非常にコンパクトに収まり,サイズの問題も解決でき,簡易な操作でベテランの技も再現できるようになりました。
課題であった刃物を鋭角に研ぐ機構は,高い荷重がかかるため,直接モータをつなぐと,モータのベアリングが摩耗し破損に繋がります。山洋電気が選定したモータは耐荷重性能も高く,直付けしても十分重量に耐えられました。難題だと思っていたさまざまな課題がクリアできていきます。」(石田氏)
三光製作所の製品開発は,山洋電気の高品質なモータと綿密なサポートにより,順調に進んでいます。
(左から)山洋電気 大谷,三光製作所 石田氏
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