A社は,各種情報システムの構築から運用,および関連機器・ソフトウェアの販売などを手掛ける独立系システムインテグレータ。同社はこのほど,とある製造業のお客さまからクレームを受け,対応に苦戦していました。
以前A社は,お客さまより「コストを抑えつつ工場内のサーバにUPSを導入したい」と要望を受け,システムを構築。その際,コスト抑制のために安価な「常時商用給電方式」のUPSを採用しました。
休日中にシステム導入をおこない,問題なく引き渡しが完了しましたが,翌営業日に工場の稼働を開始したところ,頻繁にバッテリ運転への切り替えが発生。工場内には繰り返しアラーム音が鳴り響き,一部の従業員においては不安を訴える事態に。
クレームを受けたA社サポート部門が急きょ原因を調べたところ,工場設備のモータ系負荷が稼動するたびに大きな電流が流れるため,電圧変動や周波数変動をUPSが検出しバッテリ運転に切り替わってしまうことが分かりました。
加えて,頻繁なバッテリ運転により,バッテリが想定より早く劣化することも考えられました。交換時期が早まることは,結果としてコストパフォーマンスの悪化に直結します。A社営業部のE氏はこう語ります。
「すぐに何とかしてほしいとお客さまからお叱りを受けました。トラブルを解決するためには,速やかにほかのUPSに交換する必要がありましたので,サポート部門と協力していくつかのメーカーを当たりました。しかし,この短い納期に対応しているところはほとんどなく,また,納期をクリアしても要求を満たせる製品を見つけることはできませんでした。」
クレーム対応で待ったなしの状況に追い込まれたE氏は,問題を解決するUPSを手に入れる必要がありました。
そのようななかE氏は,以前,山洋電気の営業担当者から紹介された「短納期納品サービス」を思い出し,問い合わせてみることに。
山洋電気はその日のうちにE氏との打ち合わせを実施し,UPSの選定をおこないました。
「常時商用給電方式のUPSは商用電源の変動に敏感で,頻繁にバッテリ運転へ切り替わってしまっていたことが分かりました。そこで,入力電源の許容範囲が広い常時インバータ給電方式かハイブリッド方式のUPSへの機種変更が有効とのことでした。
短納期納品サービスのなかに350VA~5kVAの常時インバータ給電方式やハイブリッド方式のラインアップがそろっており,しかもすべて翌日に発送可能と聞き,驚きました。」(E氏)
各機種を検証したE氏は,メリットの多さから「ハイブリッド方式」を選びました。
「商用電源の状態に合わせて効率優先モード・アクティブフィルタモード・給電品質優先モードの3つの給電方式が自動的に切り替わることで,常時商用給電方式の“高効率”と,常時インバータ給電方式の“安定性”を両立。また,自動バッテリチェック機能などにより,停電時に確実に動作する“信頼性”も確保できる点が決め手となりました。」
加えて,バッテリの期待寿命の長さもE氏を大きく満足させました。
「先に採用した安価な常時商用給電方式UPSのバッテリ寿命は2~3年でしたが,山洋電気製はおよそ5年と,2.5倍の長寿命ということが分かりました。バッテリ交換のメンテナンス工数を削減できますし,同じく4~5年周期で訪れる,PCやサーバのリプレイス時期に合わせて交換できるので,非常に効率的です。初期費用は常時商用給電方式と比べれば割高ですが,長期的にみるとこちらの方がコストメリットが大きいと判断しました。」(E氏)
こうして,E氏は山洋電気製UPSの採用を決定し,注文から2日後に選定したUPSを入手することができました。E氏はこう語っています。
「お客さまにはとても満足していただけました。山洋電気が短納期に対応していることには驚きましたし,ラインアップが充実していたおかげで最適のUPSを手に入れることができ,感謝しています。高品質で信頼性の高いUPSの採用が結果的にコスト削減につながるなど,今回のトラブルを通していろいろと勉強になりました。これからは目先の価格に惑わされず,長期的なプランを見越してお客さまに提案したいと思います。」
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