ケーブルテレビH社では,いままで使用していたUPSが入れ替え時期になりました。設備部門のN氏は既存システムの問題点を整理し,新しいUPSに求める条件をまとめました。
「サービスを提供するためのサーバや放送機器は,サーバ室に集中して設置しています。放送機器の発熱による悪影響を抑えるため,サーバ室では常にエアコンを稼働させて室温を一定に保っています。しかし,エアコンが故障などで停止してしまった場合には,サーバ室内の温度が上がってしまい,装置に障害が起きる可能性があります。定期的に技術員が巡回してエアコンの故障,電源の状態や温度・湿度などのチェックをおこなっていますが,サーバ室は基本的に無人で,無人局舎も数多くあるため,タイムリーな障害対応が難しい状況でした。」(N氏)
近年ケーブルテレビ会社では,インターネットのプロバイダ事業も展開しています。N氏は自社のサービスについてこう語ります。
「当社は,ケーブルテレビ事業に加え,インターネット事業などの通信インフラサービスも提供しているので,24時間365日機器を止めることはできません。
UPSのバッテリ交換などのメンテナンスは電源供給を止めなくても作業できますが,UPS本体のリプレイスとなるとそうはいきません。機器のリプレイスなどサービスを止めるようなメンテナンスの場合は,事前にお客さまにお知らせするとともに,サービスのスケジュール調整も必要となります。想定されるトラブルを未然に防ぎ,メンテナンスの負荷を軽くする対策を考える必要がありました。」(N氏)
情報収集に行き詰まったN氏は,山洋電気の担当者に現状を伝えて相談しました。
山洋電気の担当者は,H社に最適なソリューションとして,「SANUPS A23C」と「LANインタフェースカード」との組み合わせを提案しました。この提案に強く惹きつけられたN氏はこう語ります。
「山洋電気の『LANインタフェースカード』があれば,電源の異常を即座に検知して担当者のPCや携帯電話にメールで通知することができます。また,ネットワーク経由で電源やバッテリの状態などをリアルタイムにモニタリングできます。そのため,現地に行く回数を大幅に減らすことができ,メンテナンス工数の削減につながります。」(N氏)
さらに,オプションの温度センサ・湿度センサを組み合わせることでサーバ室内の湿度と温度を測定できることもポイントだったと言います。
「本来はサーバ室の室温を監視するために,他の監視システムを導入しようと考えていましたが,温度センサ・湿度センサを『LANインタフェースカード』と接続するだけで,周辺の温度・湿度を遠隔からリアルタイムで確認できます。センサはLANケーブルで繋ぐだけで簡単に増設でき,最大で16点まで繋げることができるため,細かな監視ができます。」(N氏)
「今回は,外部バイパス回路を設けるという提案が決め手になりました。外部バイパスによって,サーバに給電を継続したままUPSをリプレイスできます。ほかにも何社かと相談しましたが,山洋電気の担当者だけが先を見据えた提案をしてくれました。状況をしっかり理解したうえでの提案なのでとても心強いと感じました。」(N氏)
こうして,「SANUPS A23C」と「LANインタフェースカード」の採用を決めたH社。各拠点の電源と温度の状態が監視できるようになりました。
「新設の無人局舎でも採用していくことが決まっています。当社の要望を十分汲んだ提案に感謝しています。今後も山洋電気にはいろいろと相談にのってもらいたいと思います。」(N氏)
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