A市は約300の工場を有する,電力需要の多い地域です。一般家庭においても必要不可欠な電力エネルギーを,将来に渡り安定供給できるしくみを構築することが,工業・商業・農林業・民生いずれの分野においても重要な課題となっています。これを実現させるための新たなしくみとして「スマートコミュニティ」が注目されています。
G社では,この地域の「スマートコミュニティ構想普及支援事業」に関する案件に取り組んでいました。担当者のK氏は次のように語ります。
「スマートコミュニティを実現させるには,エネルギーの需要量と供給量をリアルタイムで把握し,適切に分配できるしくみが必要です。A市では将来的に市全体での電力を有効利用するしくみを構築したいと考えていました。
今回の案件はその第一歩として,太陽光発電システムによる電力供給量とモデル事業所のエネルギー需要を把握し,最適な再生可能エネルギーの活用を実現するというものでした。
そのためには,複数の機器からの情報を一括管理する必要があります。一括管理のためには機器同士の通信仕様を合わせる必要があるのですが,このシステムの構築には膨大な工数が想定されていました。」
K氏は情報収集を続けるも成果が得られず,頭を抱えていました。
K氏は情報収集のために訪れた展示会で,山洋電気ブースの担当者に今回の課題について相談しました。後日G社を訪問した担当者は,グリッド管理装置「SANUPS K23A Mタイプ」,太陽光発電システム用 パワーコンディショナ「SANUPS P73J」,「SANUPS Monitor K」を組み合わせた方法を提案しました。
「グリッド管理装置には,スマートコミュニティを実現するための機能が備わっていました。太陽電池などの発電情報や複数の機器の電力消費情報を収集し,電力需要に合わせて電力の流れを最適に制御できるのです。また『SANUPS Monitor K』を利用することで,設備機器の電力状況の見える化を実現できます。グリッド管理装置とパワーコンディショナのメーカーが同じなので,通信仕様の親和性についても問題ありません。」(K氏)
「さらに『SANUPS K23A Mタイプ』は停電時も無瞬断で電力供給を継続できるため,サーバなどの重要負荷にも使用できます。つまり負荷機器が限定されないので,自由にシステム構築することができるのです。これならさまざまな要望に自信をもって提案できます。」(K氏)
検討の結果,K氏は「SANUPS K23A Mタイプ」と「SANUPS P73J」,そして「SANUPS Monitor K」の組み合わせを,自社の提案として採用しました。
再生可能エネルギーの有効活用について,良い提案をまとめることができたG社。K氏は次のように意欲的に語ってくれました。
「当初の計画どおり,スマートコミュニティの実現に向けた下地を整えることができました。今後は,VPP(バーチャルパワープラント)の案件にも展開していきたいと考えています。」
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