ジャムやフルーツソースなどを製造する食品加工メーカーS社。同社は長い間,生産ラインの殺菌工程で使用するジュール加熱装置が瞬低で停止するトラブルに悩んでいました。S社生産管理部のマネージャーA氏はこう語ります。
「生産ラインのなかでも特にジュール加熱装置が停止すると,完全な加熱殺菌ができないため生産途中の食品を破棄しなければいけません。また,ソースが冷えて固まると機械が詰まり,機器の清掃や除菌,再稼働などの大掛かりな作業が発生することになります。これが出荷遅れにつながることもあります。特に瞬低は落雷が原因となることが多く,春から夏にかけての繁忙期のトラブルは,お客さまに迷惑をかけるとともに弊社の信用問題にもつながります。」(A氏)
しかしS社では,瞬低についての対策が分からず「仕方ない」ものとして諦めていたのです。
「今年に入ってからも瞬低が発生し,大量の食品廃棄によるロスが生じました。社員が休日出勤や残業をして補ってきましたが,今後も毎回この対応を続けていくには負担が大きく,対策が必要なことは分かっていました。しかしよい方法が思いつかず,諦めていました。」(A氏)
*瞬低(瞬時電圧低下)・・・ 送電線などの故障により,0.07~2秒間電圧が低下する現象
詳しくは停電の基礎知識と対策:停電の種類と「瞬停・瞬低・瞬断」とは?
自社工場の課題について悩んでいたA氏は,展示会で山洋電気ブースに立ち寄り,ジュール加熱装置の瞬低対策について相談しました。
A氏の相談を受けた山洋電気の担当者は,課題について詳細にヒアリングし,瞬時電圧低下補償装置「SANUPS C23A」を提案しました。
「電力をバックアップする装置としてパソコンやサーバにUPSを使用しているのは知っていましたが,食品加工装置のような大容量な設備に使用するということは考えたことがありませんでした。瞬低の際にも完全無瞬断で安定した電力を供給してくれるということで,これならジュール加熱装置を停止から防ぐことができると思いました。」(A氏)
「瞬低対策にはUPSと瞬時電圧低下補償装置があります。今回の原因は瞬低のみだったので,瞬低に特化した瞬時電圧低下補償装置を検討しました。また工場には余分なスペースがほとんどなかったので,装置が収まるかどうか不安でしたが,瞬時電圧低下補償装置『SANUPS C23A』のサイズは同じ容量のUPSと比べて約1/2なので設置することができました。さらに蓄電デバイスは鉛バッテリではなく,長寿命の電気二重層キャパシタなので,10年間部品交換の必要がないメンテナンスフリーという点にも安心しました。」(A氏)
提案に満足したA氏は,さっそく瞬時電圧低下補償装置「SANUPS C23A」の導入を決めました。
「諦めていたジュール加熱装置の瞬低対策でしたが,山洋電気は弊社の課題を十分に理解したうえで最適な提案をしてくれました。とても感謝しています。」(A氏)
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