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解決事例
市販のロボットでは自社の製造ラインに最適化できない・・・

7軸多関節のロボット内製化を実現させた,モーションコントローラ「SANMOTION C」とは

機械部品メーカーA社(従業員数:約2,000名)
課題
  • 産業用ロボットで省人化・生産効率向上を実現したい。
  • 市販のロボットでは自社のラインに最適化できない。
  • ロボットの内製を進めたいが社内にノウハウがない。
効果
  • 各工場の省人化・生産効率向上を実現。
  • 自社のラインにフィットしたロボットの内製に成功。
  • 短時間でロボットのプログラムを作成できた。
日本は世界トップクラスの産業用ロボット生産国で,自動車や半導体製造などを中心にロボット導入による自動化と効率化を進めてきました。しかし,その他の産業ではロボットの活用は限定的であり,いまだロボットの拡大の余地があります。

Problem
課題

生産ラインの省人化・効率化のために,多関節ロボットを内製したい

機械部品メーカーA社は,国内および海外の自社工場において,ロボット導入による省人化・効率化に取り組んできましたが,なかなか成果を上げられずにいました。同社生産技術部のB部長はこう話します。
「ロボットの開発を外注するとコストがかかりすぎるので,市販のロボットを導入していたのですが,アームの長さや細かい動作がうまく合わず,なかなか当社のラインに最適化することができませんでした。結局,多くの工程は人の手に頼っていたのです。当社は海外にも工場がありますが,海外の人件費も上がってきています。人件費抑制のためにも自社の生産ラインに最適化されたロボットの開発が急務でした。」

試行錯誤した末にB氏は,生産ラインに最適なロボットを内製しようと考えましたが,すんなりと計画を実行に移すことはできませんでした。
「今まで人がおこなってきた繊細な作業や工程をロボットだけで実現するには,通常のロボットより関節部が多い,7軸多関節ロボットを内製化することが理想的との結論になりました。7軸多関節ロボットは,一般的な6軸多関節ロボットよりも人に近い動きを実現できるメリットがあります。しかし、残念ながら社内にはロボットを開発する技術やノウハウが不足していたのです。また,7軸まで制御できるコントローラーが見つからないという課題もありました。とはいえ,当社は将来を見据えた技術の蓄積のためにも,なんとしてもロボットの内製化を成功させたいと考えていました。」(B氏)
B氏はロボット内製化を諦めず,情報収集を続けました。

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Solution
解決策・効果

動作モデルがあらかじめ設定され,短時間でプログラムが作成できるモーションコントローラを提案

B氏は,過去に冷却ファンを購入した経緯で付き合いのあった山洋電気の担当者に,こうした課題を相談しました。担当者はA社の課題についてヒアリングしたうえで,7軸多関節ロボットを制御できるモーションコントローラ「SANMOTION C S500シリーズ」を提案しました。
「直交ロボットやパラレルリンクロボット,スカラロボットなどの動作モデルがあらかじめ設定されているので,複雑な入力を必要とせず短時間でプログラムが作れるという説明を聞き,これならば内製化を実現できるのではないかと期待が持てました。」(B氏)

7軸多関節ロボットにも対応する多彩なロボット制御機能でプログラムをかんたん作成

制御できるロボット形状は15種類。さまざまなロボットの軌跡制御や補間動作がかんたんに実現できます。

制御できるロボット形状

複数回に及ぶ設計同行のプレゼンテーションと技術説明により,A社は「SANMOTION C」の正式採用を決定し,B氏ら開発スタッフは山洋電気製サーボシステムを使用したロボットの製作をスタートさせました。
A社がスムーズに採用決定に至った背景には,山洋電気の技術支援体制への信頼もあったといいます。

ロボット内製化に成功!工場の生産ラインの省人化・効率化を実現

B氏らのロボット開発は,山洋電気の技術支援のもとでスムーズに進められました。
「自社にノウハウがなく最初は不安でしたが,関節軸の設計などで山洋電気から手厚いサポートがあり,非常に助かりました。ロボットは無事に完成し,アームの長さや動きなどを自社のラインに完璧にフィットさせることに成功しました。」(B氏)

A社は完成したロボットを各工場のラインに組み込み,期待どおり省人化・効率化を進めることができました。ロボットの内製化は,効率化とともに技術やノウハウの蓄積という点で大きな意味があったとB氏は言います。
「生産技術担当者がスキルを得たことで,他の用途においてもサーボシステムの応用が可能となり,さらなる省人化・効率化を考えられるようになりました。余談ですが,先日当社の工場を訪れたお客さまより,ロボットを内製化した技術力に対しお褒めの言葉をいただきました。技術者冥利につきるとはこのことだと思いました。」(B氏)
B氏の挑戦は,さまざまな副次的効果をもたらしています。

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