ステッピングモータとは,パルス信号が入力されるごとに,一定の角度ずつ回転するよう制御されているモータです。
パルス信号の周波数を調節することで意図する位置まで正確に動かすことができるので,安価で簡素な位置決めを実現を実現できます。
使いこなすと便利なステッピングモータですが,選ぶ際にはどのような流れで,どのようなポイントを踏まえればよいのでしょうか。
※ステッピングモータの基本については、「ステッピングモータとは? 仕組み,種類,使い方(駆動方式・制御方法),メリットや特徴を解説」をご覧ください。
各項目の詳細については、ダウンロード資料でご紹介しています。資料を無料でダウンロードして,ぜひご活用ください。
ステッピングモータを選定する際には,使用する装置の機構や駆動条件によって注目すべきポイントや優先度が異なりますが,一般的には下記となります。
負荷を駆動させるために必要なトルクを出すことができるモータの選定が必要です。
負荷トルク,加速トルク,摩擦トルクなどを考慮し,安全率を見込んで選定する必要があります。
駆動する電源(電圧・電流)に適合するモータを選ぶ必要があります。
制御回路やドライバの仕様との整合性も確認が必要です。
必要な位置決め精度に応じたステップ角度を選定します。より細かいステップ角度を選ぶことで高精度な制御が可能です。
設置スペースや機構の制約を考慮して適切なサイズを選びます。NEMA規格などの寸法規格を参考にしてください。
※NEMA規格:アメリカ電機工業会(NEMA)によって標準化された電気製品の規格
山洋電気では,狭いスペースにも取り付けができる小型14mm角タイプのステッピングモータ・薄型ステッピングモータもご用意しております。
ステッピングモータが通電状態で停止しているときに負荷を支える必要がある場合は,保持トルクが重要です。
必要な保持トルクを満たすモータを選ぶ必要があります。
使用する環境に合わせ,使用周囲温度範囲,使用湿度範囲が対応するステッピングモータを選定します。
また,防塵,防水対応が必要な場合はIP規格に対応したステッピングモータを選定します。
山洋電気では,保護等級IP65ステッピングモータをご用意しており,食品関連の産業機械など,水のかかる装置でも使用できます(シャフト及びケーブル先端部分を除きます)。
ステッピングモータ単体のコストだけでなく,ドライバや制御システム全体のコストも含めて評価します。コストと性能のバランスを考慮することが重要です。
特定の要件や環境に応じたカスタマイズが必要な場合,柔軟に対応できるメーカーを選ぶ必要があります。また,カスタマイズ部分も保証に含まれるかも確認しましょう。
山洋電気では,真空対応,シャフト加工,減速機・ブレーキ・エンコーダ取り付け加工,
ダンパ取り付け加工など,各種カスタマイズに対応しています。
ポイントが分かったら,実際に山洋電気のプロダクトサイトで条件からステッピングモータを絞り込むことができます。ぜひご活用ください。
トルクマージン・イナーシャ比を充分確保することが必要です。ステッピングモータは過負荷になると動作不能(脱調)となるので、トルクマージンは1.4~2倍程度(目安)確保することをお勧めします。
マイクロステップ駆動だと、低速での滑らかな回転が実現できます。
・モータ巻線電流(定格電流)の大きなモータに切り替える
・DC電源タイプの場合、電源電圧を高くする。又はAC電源タイプに切り替える
・モータ巻線を変更(巻線をほどく)、高速領域でのトルクUPを図る。
などの方法があります。
山洋電気では,多様なステッピングモータのラインナップ,お客さまのご要望に合わせた各種カスタマイズなどで,お客さまのビジネスをサポートします。
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