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モータのカスタマイズ事例のご紹介(4)

ステッピングモータの振動や騒音を改善。ダンパ取り付け加工とは

カスタマイズをおこなうメリットは,より高度な制御や安全性など実現しながら,幅広いアプリケーションに適用できることです。
この記事では,ステッピングモータのカスタマイズのメリットや事例についてご紹介しています。
山洋電気は,「カスタマイズ」も得意です。ご要望や数量に応じて,モータをカスタマイズできますのでご相談ください。

ステッピングモータの特長は,比較的簡単に位置決め制御ができることです。
一方で,「振動」「騒音」「脱調」などのデメリットもあります。

これらの課題の対策として,ダンパの取り付けが有効な場合があります。

ステッピングモータにダンパを取り付ける目的・メリット

ダンパが振動や騒音を抑える

ダンパはゴム材でできており,モータの振動や騒音を吸収する役目があります。

図:ダンパを取り付けたことによる騒音低減効果の例

高速時でも安定した回転を保ちやすくなる

ステッピングモータは,モータの停止時には振動が発生せず,最大のトルクでピタリと軸位置を保持できるのが特長です。
一方で,ステッピングモータは回転数を上昇させると,徐々にトルクが低下する「垂下特性」というトルク特性を持っています。

この特性があるため,ステッピングモータの回転を徐々に上げていくと,どこかのポイントで回転に必要なトルクが不足して「脱調」という空回りの状態になります。脱調するとトルクの発生はゼロになり,モータは停止します。
これを例えると,人が正常に歩くためには靴底が路面をクリップしている状態が必要ですが,凍結した路面を歩くと,滑って進めなくなる(制御不能になる)ようなイメージです。

さらに,ステッピングモータの場合は,モータが動作する時に振動を伴いますが,振動はトルクを低下させる要因になりますので,モータを高速回転するためには振動の抑制が重要な要素になります。
そこで,ダンパを付けると振動が吸収され,高速時でも安定した回転を保ちやすくなります。

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ダンパ取り付けの種類

取り付け面ダンパ

図:取付面ダンパ

防振材料であるゴム材のダンパをモータの取り付け面に使用しています。
モータの振動を筐体から遮断することで,低振動・低騒音に効果があります。また,高速域で安定したトルクが得られます。モータの発熱が問題になる時は,熱対策として,放熱フィンを取り付けることもできます。

複写機,半導体製造装置,電子部品組立装置,医療機器などに使われています。

回転型ダンパ

図:回転型ダンパ

モータの反出力軸側に取り付けることで,ステッピングモータの振動を抑制し,低振動・低騒音に効果があり,高速トルクも安定します。モータの発熱を装置側に放熱できるメリットもあります。
※回転型ダンパを取り付ける場合はモータを両軸シャフトにする必要があります。

基板/ウエハ搬送機,半導体製造装置,電子部品組立装置などに活用されています。

事例:業務用プリンター

業務用プリンター

業務用プリンターの紙送り軸にステッピングモータが使用された事例です。モータの振動・騒音や温度上昇を抑制するために,取り付け面ダンパと放熱板を取り付けたカスタマイズモータを採用いただいています。

ステッピングモータのカスタマイズが得意です!

カスタマイズにおける課題についてもご相談ください。
豊富なカスタマイズのノウハウによる積極的な機能改善の提案が可能です。
山洋電気のカスタマイズにより,お客さまの装置の競争力向上のお手伝いをさせていただきます。

※カスタマイズには最低ロット数等の条件がある場合もあります。詳しくはご相談ください。

協力:山洋電気株式会社 営業本部サーボシステムビジネスグループ

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