食品関連の事業は,HACCP義務化により,厳しい衛生管理基準が設けられています。
そのため,食品機械にも安全性,生産力向上に加えて衛生面の配慮も必須となっています。
山洋電気のステッピングモータなら,高精度な位置決めや安定した速度での運転ができます。
また中空軸や防水・防塵などの豊富なラインアップ,柔軟なカスタマイズで,食品機械に幅広く活用いただけます。
今回は食品工場にステッピングモータがおすすめの理由と,活用事例をご紹介します。
ステッピングモータとは,パルス信号が入力されるごとに,一定の角度ずつ回転するよう制御されているモータです。
パルス信号の周波数を調節することで意図する位置まで正確に動かすことができるので,高精度な位置決めを実現できます。
制御については,ドライバのトランジスタを正しくON/OFFさせるだけで簡単に回すことができます。回転速度もON/OFFのタイミングを早くするだけで簡単に上げることができます。
同期モータなので汎用モータ(インダクションモータ)と違い,一定の速度を保つことができ,材料の重さで速度が変わることなく,生産性を維持します。
ステッピングモータはパルス信号が入力されるごとに,一定の角度ずつ回転する仕組みのため,センサ不要で正確な位置決めができます。そのため,外付けのセンサなどでのフィードバックが不要となり,システムの簡略化に貢献します。
ステッピングモータの仕組みや,種類,駆動方式・制御方法について詳しくは下記をご覧ください。
ステッピングモータとは? 仕組み,種類,使い方(駆動方式・制御方法),メリットや特徴を解説
従来はコンベア外側にモータ取り付けしていたのを,中空軸内にシャフトを固定することで,コンベア内側にモータを収納することができます。
また,中空軸内にホース,液体,気体などを通すことができ,構造のシンプル化による省スペース化が図れます。
許容スラスト荷重(シャフトに対して水平方向にかけられる荷重)を,当社従来品に比べて37 倍※に強化したステッピングモータです。大きな荷重がかかる用途でもお使いいただけます。
※当社従来品10N に対し,370N(□ 42mmの場合)
許容スラスト荷重向上によりテーブルを直接,モータへ取り付けができます。テーブル重量を直接受けられないためプーリとタイミングベルトで間接的にテーブルを駆動させる従来のギヤ機構やプーリ・ベルト機構から,機構を簡略化できます。さらにノンバックラッシュ化ができます。
仕分けテーブルや円テーブルなどを直接駆動することもできます。
防水・防塵性能に優れており,保護等級はIP65※です。
食品関連の産業機械など,水や粉のかかる装置でも使用できます。
※ シャフトおよびケーブル先端部分を除きます。保護等級(IP コード)は,IEC(国際電気標準会議)60529:2001 で規定されています。
モータに水がかかっても問題ありませんので,保護カバーが不要で,シンプルなシステムにできます。
パンやケーキなど,粉を使う食品に関連した装置でも,カバー無しで安心してお使いいただけます。
インダクションモータの場合,素材に応じて運転時間を調整したり,インバータ搭載による回転量の調整が必要となります。
ステッピングモータであれば,温度,湿度の変化で材料の状態が変化しても,安定した品質が保てます。
加工品目が乾燥などにより硬化した場合など負荷の変動が起こった場合,インダクションモータでは,モータ容量をアップさせ硬化時の動作を加味する,ギヤ比をUPさせトルクを稼ぐ,などの手段が必要となります。
そのため,モータ容量を上げるためのコストがかかったり,その分のスペースが必要になったりしてしまいます。
ステッピングモータであれば,低速高トルクにより,負荷の変動によるモータの容量アップをうまく回避できます。
食品を加工処理する機構へ搬送する機構では,従来の可変速ACモータの場合,速度を上げた際に停止位置にもかかわらず惰性で搬送し,搬送ベルトの摩擦により食品表面に傷ができてしまうことがあります。
ステッピングモータは立上がりの特性が良いため,ACモータと比べて急減速が可能になります。
サイズ別に仕分けをする装置において,タクトタイムの短縮が必要でした。
エアーシリンダからACギヤードモータへ置き換えましたが,タクトタイム短縮が実現できず課題となっていました。
低速回転域で高トルクを有するステッピングモータなら,短い距離を素早く動かすことができ,タクトタイム短縮を達成できます。
豊富なカスタマイズのノウハウによる積極的な機能改善の提案が可能です。山洋電気のカスタマイズにより,お客さまの装置の競争力向上のお手伝いをさせていただきます。
※カスタマイズには最低ロット数等の条件がある場合もあります。詳しくはご相談ください。
公開日: