
解決事例
人工透析装置,グローバル市場への布石!
求められる「信頼性」「安定性」「高性能」,理想の低振動駆動を支えたモータとは
医療機器メーカーN社 (従業員数:約90名)
N社は,大手医療機器メーカーに対し血液透析・腹膜透析や,輸液関連,および血液浄化装置などのOEM供給をおこなう医療機器メーカーです。近年,国内外で人工透析治療へのニーズが高まる中,拡大が見込まれる市場における安定したシェアの確保が大きな課題となっていました。
人工透析装置は患者の生命維持に直結するものであるため,何よりも信頼性が重要で,装置の安定稼動や事故リスクを低減した長期間の耐久性が求められます。装置の故障や不具合の発生は患者の健康を脅かすだけでなく,復旧までの待ち時間が患者の負担や,病院の損害にもつながります。
また,主に病院という使用環境や長期間にわたり使用する患者のストレス緩和のために装置の低騒音化や低振動化など,N社にはさまざまな要求が寄せられていました。
こうした市場ニーズに応え続けるためには各モデルで常に最新スペックの製品をリリースしていく必要があります。そこで,部品にも装置のサイズや形状にあわせたカスタム対応が求められます。
しかし,装置のサイズや形状に合わせて,その都度部品加工をおこなうには非常に多くの工数がかかるので,部品メーカーも細かい注文には応えてくれません。こうした状況が開発期間を長くする原因の一つとなっていました。
「製品の開発に際して,メーカーとの間で何段階かの試作・評価がおこなわれます。試作機の納期は決まっているため,設計者の立場からいうと,部品選定にかける時間はできるだけ短くしたいというのが本音です。なぜなら,手戻りがある場合でも十分な再試作の時間を確保したいからです。」
N社・設計開発部のK氏はこう語ります。競合がひしめく中で,他社に少しでも差を付けるためには,なによりも開発リードタイムの短縮が必要でした。