
解決事例
最適なモータを“わずか2日”で納品!?
モータのオーバースペックを回避し,“コスト削減”に成功した方法―
一般産業機械メーカーW社 (従業員数:約50名)
多くの中小規模の産業機械メーカーが,“一品モノ”装置の開発や小ロット生産など,小回りの利いた対応力を武器に会社経営をおこなっています。しかし,小口受注では必然的にバッファが小さくなるため,常に短納期やコストダウンの要求に追われながら,懸命に品質向上を支えているのが現状です。
各種工場向け生産設備の開発・製造などを手掛ける産業機械メーカーW社では,小口案件の装置開発について,いくつかの難題を抱えていました。
同社には年に数度,スポット受注や特殊品の開発依頼が舞い込むのですが,こうした案件は納期が短いため,装置の負荷条件を事前に詳細詰めできないケースが多々ありました。
そのため,新たにモータ容量を選定している余裕がなく,往々にして過去の経験からマージンを大きく取って容量を決定し,試作時の実機において初めて容量選定の良否を判断するケースも少なくありませんでした。同社開発マネージャーF氏はこう語ります。
「極端な話,動けばそれでOKとしていました。見切り発車とならざるを得ないため,モータの容量には余裕を持たせる必要があり,結果としてオーバースペックとなってしまうケースが常に発生していたのです。」
今回,W社はとあるスポット案件の試作機製作において,200Wのサーボモータを採用しましたが,負荷に合わせた選定をおこなった結果ではありませんでした。
「前が200Wだったから今回も,という程度で決めてしまっていました。これが,結果的にはトータルコストを高くし,十分な利益が確保できない要因となっていました。」(F氏)
顧客ニーズへの臨機応変な対応で市場競争を生き残ってきたW社ですが,F氏は開発を抜本的に改善する必要性を感じていました。