各種ラベラーの製造・販売をおこなうG社。同社のラベラーは,使い勝手や正確性が食品業界を中心に高く評価され,ユーザーの幅を広げていました。
しかし,G社では業績伸張にともなう増産が続くなか,ラベラーの重要部品であるステッピングモータを生産計画通り入手できないという状況に直面します。2社からモータを購入し,装置によって使い分けていましたが,そのうちの1社との間に納期トラブルが頻発していたのです。G社購買部のS氏はこう語ります。
「なかなか希望の納期は通らず,しぶしぶ調整した納期も守ってもらえない…。生産計画は混乱し,そのために調整に多大な工数を費やしていました。」
そこで,製造ラインに遅れを生じさせないために,常に多めの在庫を持っておくことで,リスクを回避していました。しかし,この取引先は納期の改善が見込めないと判断。モータの切り替えを検討することにしました。
「在庫の保管場所を確保するのは容易ではなく,コストもかかります。もう1社への切り替えを検討しましたが,必要なモータがラインアップになかったので,断念せざるを得ませんでした。そのため,早急に別の改善策を練る必要がありました…。」(S氏)
課題解決のため,メーカー各社に問い合わせをおこなっていたS氏は,山洋電気に声をかけてみることに。早速,詳細なヒアリングをおこなった山洋電気営業担当の提案はS氏を驚かせました。
「まず,現行モータの置き換えは可能とのことでした。そして,なにより前のメーカーと比較すると納期が半分だったことに驚きました。そこで,詳しく話を聞いてみたところ,別のラベラーに搭載されているモータについても,山洋電気製品に置き換えられるとのことでした。」(S氏)
さらに,山洋電気は,従来部品を流用できるようにシャフト形状のカスタマイズも提案。
「ただ同等品へ置き換えるのではなく,設計担当者と綿密な打ち合わせをしたうえで提案していただきました。設計変更や新たな部品調達のための工数・コストをかけることなく,モータの置き換えができると期待が持てました。
また,当社ではこれまで2種類のモータに合わせて駆動用ドライバも2種類内製していましたが,巻線をカスタマイズしモータを共通化することで,現行ドライバも1種類に統一し流用できるとのことでした。
商流も1社に絞れるので発注の手間が省け,手配の効率化も実現できます。これはまさに願ってもない提案でした。」(S氏)
さっそく,モータの性能を評価したところ,十分に仕様を満たせることが判明。その際,評価のための試作品はわずか2週間で届き,G社は評価スケジュールを大幅に短縮することができました。
こうしてG社は山洋電気製ステッピングモータの採用を決定し,ほどなく,再度の増産態勢に入りました。今回の採用についてS氏はこう語っています。
「モータを安定的に調達できるようになっただけでなく,こちらの事情を十分に汲んだ提案をしていただくことで,求めていた以上の結果を得られました。当社設計部門とも連携しながら,きめ細かいフォローをしてもらえたことに感謝しています。」
ステッピングモータについて詳しくは「ステッピングモータとは? 仕組み,種類,使い方(駆動方式・制御方法),メリットや特徴を解説」もご覧ください。
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