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解決事例
AGV開発の課題を解決した決め手はメーカーとしての「総合力」

内製ドライバを活かすエンコーダ一体型モータとは?

FA機器メーカーT社(従業員数:約100名)

Problem
課題・問題

自動ステアリング走行により,コンベアに比べはるかに柔軟性のある生産ラインの構築を可能にした「AGV(無人搬送車)」は,部材搬送行程の効率化,省人化に大きく貢献しており,生産現場には欠かせない装置の一つとなっています。近年では工場に限らず,福祉,サービス分野などへと活用領域を広げ,メーカー各社には幅広いニーズに応えるための新技術の開発や,低コスト化への取り組みが求められています。

モータ・エンコーダを自社組み立て,工数とコストがかかり課題が山積み…

FA機器の開発,製造,販売を手がけるT社は,食品工場向けの新たなAGVの開発に取り組んでいましたが,モータの選定についていくつかの課題を抱えていました。

T社設計部部長のN氏は語ります。
「現行のAGVではステッピングモータとエンコーダを別のメーカーから購入し,自社で組み付けたものを4つの車輪に取り付けていました。エンコーダ信号から車輪の位置情報,速度情報を確認し車輪ごとに個別で制御をおこなっていたのです。」

しかし,このモータにいくつかの課題を抱えていました。
「まず,モータとエンコーダの組み立てコストが課題となっていました。部材が必要になるだけでなく,組み立て工数もかかりコストアップの原因となっていました。
また,不具合が発生したときの原因や保証の切り分けも困難でした。AGVの動作に不具合が生じた場合,その原因がモータなのかエンコーダなのか,それとも組み付けの問題なのかなど,原因の特定と対策に時間がかかるだけでなく,保証の切り分けも難しくなってしまいます。」(N氏)

サーボモータの採用を検討するが,システム購入によるコストUPに…

悩んだ末にN氏はサーボモータの採用を検討します。しかし…
「これらの課題を解決するために,サーボモータへの置き換えを検討しました。ところが,現行機ではコストを抑えるために,ドライバを内製化しているのですが,サーボモータにすると内製は難しく,モータとアンプをセットで購入しなくてはなりません。サーボモータにすれば,仕様は十分満たせるのですが,コストが増えてしまいます。」(N氏)

開発期間が残り少なくなるなか,要求を満たすモータが見つからずにN氏は頭を抱えていました…。

課題
  • モータとエンコーダの組み立て工数・コストがかかる。
  • 不具合発生時の原因・保証の切り分けが困難。
  • サーボモータを検討するがさらにコストが増大。
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