
解決事例
医療現場のニーズを満たし,差別化を図りたい!
クランプ機構を自動化し“従来比2/3の小型化”を達成させた,“ボールねじ一体型ステッピングモータ”とは?
医療機器メーカー M社 (従業員数:約300名)
心臓外科・人工透析分野の医療機器製造を手掛けるM社では,ある体外循環装置の仕様について,いくつかの課題を抱えていました。
従来の装置では,クランプ機構にソレノイドまたはステッピングモータの2つの方式を用いていました。M社設計開発部のH部長はこう語ります。
「クランプ機構とは,気泡が発生した際にグリッパを閉じ,チューブの気泡送出を遮断する安全機能です。ソレノイドの場合ではロック解除を手動でおこなう必要があるために,現場で手間が発生していたのです。」
またグリッパの開閉を自動化したステッピングモータ駆動方式では,カップリングやボールねじといった部品点数が多いため,装置の小型化を難しくする要因になっていました。国内の医療機関には医療処置室の広さに余裕がないケースが多く,小型化は手狭なスペースを有効活用するために欠かせない改善要素のひとつであり,M社にもたびたびユーザーから要望が寄せられていたといいます。
「安全性の確保に重点を置いて開発してきましたが,装置の差別化を図るためには,医療現場のニーズを細かく取り込んでいく必要があります。グリッパ開閉の自動化による操作性向上と小型化の両立を実現するため早急に改善が必要でした。」(H氏)