
解決事例
生産設備の安全対策にUPSを導入したいが,オーバースペックでコストがネックに
突入電流にとらわれないUPSの容量選定が可能に!?
素材メーカーN社 (従業員数:約300名)
各種鋼材・鋳鋼製品などを手掛ける素材メーカーN社。同社はこのほどBCP(事業継続計画)強化の一環として,自社工場の災害対策シミュレーションを実施したところ,溶解炉の送風システムに課題があることが発覚しました。N社生産設備部のU部長はこう語ります。
「溶解炉は24時間365日稼働しており,常に送風システムによって温度管理をおこなっています。停電時も温度管理をおこなえるように,非常用電源を用意しているのですが,停電が起きてから非常用電源に切り替えるまでに生じる,約5分間のタイムラグが問題になることが判明したのです。釜が高温状態のままで,送風システムが5分も止まってしまうと,釜が破損する可能性があり,最悪の場合,火災などの事故につながる恐れがありました。」
U氏は急遽UPSの導入を検討し,付き合いのある業者に機種の選定を依頼しました。しかし,返ってきた提案は想定より大幅なオーバースペックでした。
▼突入電流の波形
「当社としては送風システムの定格容量に合わせてUPSを選定すれば問題ないと思っていたのですが,送風システムの突入電流(*)は定格値の5倍にもなるため,そのピークに合わせてUPSを選定する必要があるそうです。その出力容量は想定を大幅に超えていました。UPSの出力容量が大きくなると,導入コストも運用コストも想定より高くなりすぎてしまいました。」(U氏)
(*)電気機器において電源を投入した際に,初期段階で定格電流値を超えて一時的に流れる大電流。