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【UPS丸わかり】給電方式3

パラレルプロセッシング給電方式のUPS

UPSの給電方式は全部で3種類あります。5時間と6時間目では常時商用給電方式と常時インバータ給電方式を説明しました。今回はその3つ目,パラレルプロセッシング給電方式を学びましょう。

パラレルプロセッシング給電方式のUPSのしくみとは

パラレルプロセッシング給電方式とは,インバータを常に並列状態で運転し,電力波形を高速で補正処理する方式です。

パラレルプロセッシング給電方式-通常時

パラレルプロセッシング給電方式-停電時

山洋電気のパラレルプロセッシング給電方式は,通常時商用電源をそのまま供給しますが,高速ACスイッチが搭載されるため,商用電源側のノイズと停電時電力の逆流を回避できます。常時商用給電方式のような切替器ではないので,無瞬断でインバータ給電に切り替えます。
搭載の双方向インバータには,コンデンサが内蔵されているため,半サイクル以下のサージは,内蔵コンデンサからの電力により補正されます。蓄電デバイスの電力を使用しないので,充放電回数による蓄電デバイス寿命の消耗も低減できます。
さらに,パラレルプロセッシング給電方式には,高調波を商用電源側に流れ込むことを防ぐアクティブフィルタ機能があります。搭載の双方向インバータは電気機器の高調波を検出し,その逆の波形を流すことで,他の電気機器に高調波の影響を与えません。

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パラレルプロセッシング給電方式のUPSを使うには

山洋電気のパラレルプロセッシング給電方式の消費電力が極めて少なく,なおかつ完全無瞬断で切り替えができます。また,通常時はインバータを通らないので,UPSを選定するときに,突入電流をあまり気にすることなく容量を選定できます。常時商用給電方式と常時インバータ給電方式の良いところを持っていると言っても過言ではありません。

パラレルプロセッシング給電方式と称するものもありますが,山洋電気のパラレルプロセッシング給電方式は,独自の制御方法で特許を取得しており,低消費電力化を実現しつつ,完全無瞬断で切り替えできる信頼性の高い給電方式です。

ここまで,UPSについて3種類の給電方式を学びました。停電などの電源トラブルを考慮し,運用コストなども含めてUPSを選定するのが一般的です。ただし,電力会社との契約で,より停電リスクを回避するために,2回線受電という選択肢をとることもできます。この場合は「瞬停(瞬時停電)・瞬低(瞬時電圧低下)対策装置」でも充分とされる場合もあります。

執筆者:山洋電気株式会社 営業本部 シニアセールスエンジニア 西澤 敏幸

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