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【使用環境別 UPSの選び方ポイント】海外使用

UPS(無停電電源装置)を海外で使用する際の注意点や,安全規格について解説!

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世界中で需要が高まるUPS(無停電電源装置)。
その背景には,IT産業や通信産業の発展,またクラウドサービスやリモート環境の発展などが関係しています。また日系企業の生産拠点が多くある東南アジア・インド等では,停電が度々発生するなど,電源事情が不安定な地域も多く,UPSは生産活動を支える大切なインフラとなっています。

本記事では,UPSを海外で使用する際の注意点や,海外に対応した国際規格について,解説していきます。

1. UPS(無停電電源装置)を海外で使用する際の注意点

海外でUPSを使用したい場合,どのような点に注意しながら選定,また輸送を行えばいいのでしょうか?

UPS(無停電電源装置)を海外で使用する際の注意点

1.電圧/周波数/負荷

日本と海外では,電圧や周波数が異なります。電圧は100V系と200V系に分かれ,日本では100V系が主流です。また周波数も東日本では50Hz,西日本では60Hzですが,国によって異なります。
UPSを選定する際には,使用する国の電圧と周波数を調べ,対応するUPSを選択する必要があります。仮に間違ったものを選んでしまった場合,UPSの負荷によって機器が壊れてしまうこともあるため,注意が必要です。

2.コンセントやプラグの形状

日本と海外では,コンセントやプラグの形状が異なることがあります。その場合は,適切な変換アダプターを使用するなど,対応が必要な場合があります。

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3.使用環境

使用したい国の使用環境に,UPSが適応しているかどうかも確認しましょう。UPSは使用可能な「周囲温度」「相対湿度」が決められています。高温・多湿の地域など,日本と使用環境が異なる地域でUPSを使用する場合は,確認が必要です。

4.輸送方法

UPSに使用されているバッテリーが輸送規制の対象品になっている場合は,航空輸送・船舶輸送が制限される場合があります。航空会社によって対応が異なることもあるため,事前に確認をしましょう。

当社山洋電気のUPSで使用している鉛蓄電池は防漏型のため,非危険物と同様の扱いで,航空,海上,陸上運送が可能です。リチウムイオン電池は輸送ルールが異なるため,個別にお問い合わせ頂いております。

5.アフターサービス

日本で購入したUPSを海外で使用する場合,現地にサービス拠点がなく,アフターサービスを受けられず,後々困ってしまうことがあります。海外サービスの充実度から,UPSメーカーを選ぶということも,大切な要素となってきます。

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2. 各国の認証マーク(安全規格)

海外で安心して使用できるUPSかどうかは,海外安全規格認定品であるかどうか,で判断をします。
海外安全規格認定品とは,製品が特定の国際的な安全規格に適合し,その製品が安全に使用できることが確認されたことを示す認定です。これは,製品が特定の安全要件を満たし,一般的な安全基準に従って設計,製造,テストされたことを意味します。海外安全規格認定品は,国際的な市場で販売される製品にとって非常に重要です。

では,海外安全規格認定品であるかを判断する,各国の「認証マーク」をご紹介します。

※装置に予め組み込まれたり,装置の付帯設備として一緒に輸入される場合は規格がなくても現地に輸入できるケースはあるようです。しかしUPS単体での輸入の際は,原則各国の安全規格の取得有無がチェックされます。故障交換や追加需要でUPSだけ別送になるケースが当てはまります。

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1.UL規格(アメリカ)

「UL規格」はアメリカ保険業者安全試験所(Underwriters Laboratories Inc.: UL)が策定する製品安全規格です。
材料・装置・部品・道具類などから製品に至るまでの機能や安全性に関する標準化を目的としています。UL規格の認証取得は任意ですが,州のプロジェクトではUL認証を義務付けている場合も多く,アメリカの電気製品の多くはUL認証品となっています。
※引用:JETRO 貿易・投資相談Q&A「UL規格の概要:米国」

2.CEマーキング(EU)

「CEマーキング」は,EUで販売(上市)される指定の製品がEUの基準に適合していることを表示するマークです。
必須要求事項の大半は製品の安全性にかかわるものですが,近年では,RoHS(有害物質使用制限)指令およびエコデザイン指令に定められている製品の環境性能基準への適合を,CEマーキングによって宣言することが求められるようになりました。該当製品の製造業者(輸入者)または代理の第三者認証機関が所定の適合性評価を行い,製品,包装,添付文書に付与します。正しいCEマーキングのある製品は,EU域内の自由な販売・流通が保証されます。
※引用:JETRO 貿易・投資相談Q&A「CEマーキングの概要:EU」

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3.各国の規格

その他の各国にも認証マーク(安全規格)がありますが,その一部をご紹介します。

「BIS」は,インドの標準規格(BIS,Bureau of Indian Standards)で,インドに輸出・販売する製品について,取得が義務付けられています。近年,強制認証が適用される品目が拡大しており,UPSについても単相10kVAまではこの規格を取得していないと,原則インド国内で販売ができません。

「TIS」は,タイの工業規格(Thailand Industrial Standards)で,工業分野における標準化を進めるために制定された国家規格です。TIS または TIS 規格と称されています。 全ての工業製品が対象となります。
※引用:JETRO タイ工業規格(TIS)の概要と認証マークの取得について

「BSMI認証」は,台湾国内で製造および輸入される対象製品に対し,BSMI(台湾経済部の管轄下にある標準検験局)が商品検験法に基づき,検査および認証・認可を行う仕組みです。商品検験法の第六条では,検査基準を満たさない対象製品の陳列や販売をしてはならないと定めています。対象製品の分野は多岐にわたります。
※引用:地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター 国別規格 台湾編

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3. 山洋電気の海外対応UPS

当社山洋電気では,グローバルにご使用頂けるUPSをご用意しております。
(各製品の詳細は,こちらよりUPS総合カタログをご参照ください)。

安全規格 入出力電圧 バッテリ シリーズ 容量1~5kVA 容量6~20kVA 容量21kVA以上 バックアップ時間
UL 入出力200V(単相2線) 鉛蓄電池 E11B     3分
A11N   5分
A11M   3分
リチウムイオン電池 E11BーLi     4分
A11NーLi※1   10分
A11MーLi※2   4分
入出力100V(単相2線) 鉛蓄電池 E11B     3分
A11M   3分
リチウムイオン電池 E11BーLi     4分
A11K-Li     13分/8分
A11MーLi ※2   4分
CE 入出力200V(単相2線) 鉛蓄電池 E11B     3分
A11N   5分
A11M   3分
リチウムイオン電池 E11BーLi     4分
A11NーLi ※1   10分
A11MーLi ※2   4分
N11BーLi     150分
入出力100V(単相2線) 鉛蓄電池 E11B     3分
A11M   3分
リチウムイオン電池 E11BーLi     4分
A11MーLi ※2   4分
入出力200V(三相3線) 電気二重層キャパシタ C23A     1sec
入力400V(三相4線)
/出力400V(三相4線)
鉛蓄電池 A22A 10分
入力400V(三相4線)
/出力220V(単相2線)
鉛蓄電池 A22A 10分
TIS(タイ) 入出力200V(単相2線) 鉛蓄電池 E11B     3分
BIS(インド) 入出力200V(単相2線) 鉛蓄電池 E11B     3分
BSMI(台湾) 入出力200V(単相2線) 鉛蓄電池 A11N   5分

※1:申請予定、※2:申請中
※容量について:各シリーズの容量ラインアップが異なるため,UPS総合カタログをご参照ください

1.SANUPS E11B(鉛蓄電池),SANUPS E11B-Li(リチウムイオン電池)

UL規格(アメリカ)を取得,CEマーキング(EU)を宣言し,200Vモデルもラインアップしています。SANUPS E11B(鉛蓄電池)の1kVAのみ,新たにインド標準規格(BIS),タイ工業規格(TIS)取得しました。幅広い使用温度範囲に対応しており,もっとも幅広い国で使用頂けるUPSです。

2.SANUPS N11B-Li(リチウムイオン電池)

一部型番で,CEマーキング(EU)を宣言しています。
防塵・防水の保護等級IP65を取得しているため,屋外や粉じんの多い環境でもご使用頂けます。

3.SANUPS A11N,SANUPS A11M(鉛蓄電池)

一部型番で,UL規格(アメリカ)を取得,CEマーキング(EU)を宣言しています。また,SANUPS A11Nの5kVA・10kVAは,BSMI認証(台湾)を取得しています。
並列冗長タイプのため,もしものUPS故障に備えることのできるUPSです。
詳細ページ:並列冗長タイプ

4.SANUPS A22A(鉛蓄電池UPS)

CEマーキング(EU)を宣言しています。
三相400V系で,5kVA~最大105kVAまでラインアップしています。5kVAごとに容量を選択できる,モジュラー型UPSです。

山洋電気のグローバル拠点

当社山洋電気には,日本を始め東アジア・東南アジア・北米・ヨーロッパの各地に,拠点がございます。また日本とフィリピンでUPSの生産を行っており,研究開発拠点であるテクノロジーセンターもございます。
詳しいグローバル拠点については,こちらをご覧ください。一部の拠点を除く各地には,認定作業員が駐在しており,バッテリー交換などのアフターサービスに対応しています。

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