加工食品を生産する食品メーカーT社。同社では近年の食への安全意識の高まりから,品質管理体制を徹底することになり,自社工場の生産ラインに外観検査や異物検出などをおこなう検査装置を導入しました。
しかし,導入した検査装置にエラーが発生。すぐに装置メーカーに調査を依頼しましたが,検査装置自体に異常は見つかりませんでした。T社生産管理部のY部長はこう振り返ります。
「装置メーカーの話によると,おそらく,モータなどを使用している食品加工装置が原因で電圧変動を起こし,その影響で検査装置にエラーをきたしているのではないかとのことでした。検査装置がエラーで止まってしまうと検査待ちの仕掛品が溜まり,生産ライン全体のボトルネックとなって生産効率が大幅に低下してしまいます。」
早急に対策を打ち出す必要に迫られたY氏は,電源対策について調べはじめました。
UPSの情報収集を続けていたY氏は,山洋電気の製品に注目しました。Y氏はさっそく担当者に連絡を取り,抱えている問題を相談しました。
山洋電気担当者はY氏より課題をヒアリングした後に,常時インバータ給電方式UPS「SANUPS A11K」を提案。この提案はY氏を強く惹きつけました。
「常時インバータ給電方式のUPSというと,停電時に無瞬断でバッテリ給電に切り替わる信頼性の高いUPSというイメージしかなかったのですが,今回の提案は少し違いました。通常時に着目すると,交流入力を直流に変換してインバータによって安定した交流電源に再び変換します。そのため,今回課題となっていた電圧変動の対策もでき,最適の方式とのことでした。」(Y氏)
さらに,「SANUPS A11K」の入力電圧範囲が広いこともポイントとなりました。
「UPSでは電源の電圧が入力電圧範囲を超えた場合,バッテリ給電に切り替わり,その回数が多くなると,バッテリの寿命が短くなります。繁忙期に工場がフル稼働した場合,モータを搭載した加工装置の起動タイミングが重なるときに電圧が70V以下に下がることが判明しました。通常のUPSでは入力電圧範囲が±15%のため,すぐにバッテリ給電に切り替わり,バッテリ寿命に影響が出ます。しかし,「SANUPS A11K」の入力電圧範囲は-40%~+20%と幅広いため,電力の不安定な電源環境でもバッテリの消耗を抑制できるのもメリットでした。」(Y氏)
このようなメリットに期待を持ったY氏は,UPS「SANUPS A11K」の採用を決定し,自社工場に設置します。
「メンテナンスが容易なところもポイントでした。電源に異常が起きた際にはすぐにLCD画面で確認できます。バッテリとインバータがモジュールになっているので,交換しやすく,保守バイパスに切り替えれば,給電を継続したままバッテリとインバータの交換をおこなうことができます。」(Y氏)
今回のUPS導入についてY氏はこう語っています。
「当社のような中小規模の工場においても,UPSの設置は必要不可欠であると実感しました。山洋電気には最適なUPSを選定していただき,感謝しています。また何かありましたら相談したいと思っています。」
常時インバータ給電方式について詳しくは「常時インバータ給電方式のUPS」もご覧ください。
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