ICTインフラの中でも災害に強く,地域活性化のツールとしても有効な公衆無線LAN(Wi-Fi)への注目が高まっています。Wi-Fiは電話回線が利用できない災害時でも,インターネットを経由して情報を送受信できる通信手段です。
日本は先進国の中でもWi-Fiスポットが少なく,普及が遅れていると言われています。総務省では「公衆無線LAN環境整備支援事業」などの施策を展開しており,災害対策や教育活用を目的として,屋外にWi-Fiスポットを増やそうという取り組みが進められています。
R社では,「公衆無線LAN環境整備支援事業」に関わる提案の準備を進めていました。担当者のF氏は次のように語ります。
「災害に備えて設置するWi-Fiなので,停電が発生した場合でも長時間稼働できなくてはなりません。そのため,バックアップ電源としてUPSと発電機の導入を検討していました。
しかし,一般的なUPSで長時間のバックアップを実現しようとすると,内蔵する鉛蓄電池が非常に大きくなることがわかりました。発電機については,設置できる場所がビルの地下や屋上などに限定されます。また法令により年1回の点検が必要になるほか,管理者を立てる必要もあるなど,膨大なメンテナンスコストがかかることがわかりました。」
F氏は屋外のWi-Fiに適したバックアップ電源の情報を集め続けましたが,希望を満たす製品はなかなか見つかりませんでした。
山洋電気に相談したF氏は,リチウムイオン電池を搭載した屋外タイプのUPS「SANUPS N11B-Li」の提案を受けました。
「リチウムイオン電池なら,鉛蓄電池の半分の体積で同じバックアップ時間が確保できるため,設置スペースが半分になります。また,保護等級IP65の防塵・防水性能など屋外設置に適した性能も備えています。Wi-Fiスポットは屋外に設置することが多いため,特別な対策をせずに,UPSをそのまま屋外に設置できることもポイントになりました。これならば,バックアップ時間を確保しながら,電柱や街灯に簡単に設置することができます。」(F氏)
「また,メンテナンスコストの大幅削減が見込めることもポイントでした。
従来の鉛蓄電池を搭載したUPSでは,通常5年でバッテリ交換が必要になります。これに対し,リチウムイオン電池の場合は,10年間(*)交換せずに使い続けることができ,メンテナンスフリーなため,トータルコストの削減が期待できます。さらに,使用温度範囲が-20~50℃と幅広く対応していると聞いて驚きました。この使用温度範囲なら国内のほとんどの地域で使用できると考えています。」(F氏)
「SANUPS N11B-Li」の採用を決めたF氏はこう振り返ります。
「山洋電気のおかげで,要望に適した提案ができました。今後,さまざまな地域に展開していきたいと考えています。これからも山洋電気に相談させていただきたいと思います。」
*周囲温度が年平均30℃・停電回数10回までの場合。
UPS(無停電電源装置)の寿命について詳しくは「UPS(無停電電源装置)の寿命や耐用年数,交換時期はいつ?」もご覧ください。
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