計測機器メーカーK社では,官公庁や各種法人向けに防犯・監視カメラシステムの製造・販売をおこなっています。
このほど,同社は数年前に監視カメラシステムの設置をおこなった自治体より,停電時の長時間稼働について相談を受けました。K社開発技術部マネージャーのN氏はこう語ります。
「近年,激甚災害に指定されるような想定外の大規模な自然災害が頻発しています。それを受けて,全国の自治体は官公庁が発表している国土強靭化の指針に基づき取り組みを強化しています。今回は,災害などによる停電時に監視カメラシステムを24時間バックアップできるようにしたいと相談を受けました。」(N氏)
N氏は電源バックアップ用の無停電電源装置(UPS)について情報収集を開始しました。
「まず,監視カメラシステムをバックアップするためのUPSを探しましたが,鉛蓄電池を増設しなければ24時間バックアップできないとのことでした。監視カメラシステムは基本的に電柱に設置しているので,UPSが大きいと設置が困難です。しかも,鉛蓄電池は一般的に周囲温度が25℃のとき期待寿命が5年のため,定期的なメンテナンスが必要になります。
また,当社が設置した監視カメラシステムは,冬季の積雪や道路の凍結状況の確認にも活用されています。候補にあがったUPSは使用温度が0℃以上のものが多く,積雪環境下での稼働が不安でした。
今回は,電柱への設置を想定しているため,長時間バックアップできることはもちろん,小型で屋外対応しているUPSを選定しなければなりませんでした。」(N氏)
N氏は,以前他部署で採用実績があり,信頼の高かった山洋電気にこれらの課題を相談しました。
山洋電気の担当者は,課題を詳細にヒアリングし,後日「SANUPS N11B-Li」を提案しました。
「提案いただいたUPSは鉛蓄電池よりもコンパクトなリチウムイオン電池を搭載しているので,小型でありながらも24時間以上のバックアップができます。この機種は電柱などへの取り付けを想定して開発されているそうで,柱状取り付け金具も用意されていました。これならば,監視カメラを設置している電柱にも取り付けられます。また,リチウムイオン電池は10年間交換の必要がなく,メンテナンスの手間も省けることも魅力でした。
さらに,保護等級IP65のため安心して屋外設置ができるうえ,使用温度範囲は-20~+50℃なので,寒冷地でも十分稼動できると判断しました。」(N氏)
このUPSに強い興味を持ったN氏は,さっそく社内で検証をおこないました。
電柱への設置,および対象となる監視カメラシステムの負荷容量に対して,24時間以上バックアップできると確認したK社は,「SANUPS N11B-Li」の採用を決定しました。
「監視カメラシステムを山洋電気のUPSと合わせてお客さまに提案し,導入いただきました。バックアップ時間や電柱への設置など,お客さまの要望に十分に沿うことができ,ほっとしています。また,現地で施工業者が実際に設置作業をおこなったところ,設置が簡単なため作業をスムーズに進めることができました。今後も山洋電気にはいろいろと相談したいと思っています。」(N氏)
※リチウムイオン電池について詳しくはUPSのバッテリー寿命を比較!もご覧ください。
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