ここ数年,災害や事故による停電が企業の経済活動に多大な影響を及ぼしています。停電は重要な設備の破損や生産停止などにもつながり,多くの企業にとって停電リスクへの備えが必要となっています。
各種化成品から機能性化学品など幅広い用途の製品を手掛ける化学品メーカーC社。同社の開発拠点である研究所では,日夜新製品開発に取り組んでいます。同施設では薬品の保管についての対応が課題となっていました。その課題について,C社主任研究員のD氏はこのように説明します。
「研究所では,多数の研究用の薬品を冷蔵庫で保管しています。郊外のビルに入居しているのですが,年に数回,ビルの定期メンテナンスのため全館停電します。そのたびに所員総出で薬品を本社の倉庫まで移送していました。薬品のなかには1本数百万円と高価なものもあり,移送の際のリスクや手間を考えると他に何かいい方法はないかと考えていました…。」
加えて,突発的な停電リスクも懸念材料の一つでした。
「さらに最近では台風などの災害による停電が頻発しているので,なるべく早く停電対策をしたいと考えていました。」(D氏)
こうした事態を避けるために研究所では,無停電電源装置(UPS)の導入を検討し始めました。
「最初に導入を検討した鉛蓄電池搭載のUPSは,サイズが大きく薬品用冷蔵庫の近くに設置スペースを確保できないことがわかりました。またバッテリ交換などの定期的なメンテナンスが必要となり,その際に今までと同じような手間がかかってしまうのでは…との懸念もありました。」(D氏)
なかなか条件に合うUPSが見つからないまま,時間だけが過ぎていきました。
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再び,ビルの定期点検と停電が告知された際に,D氏は取引先の化学薬品商社に研究所の停電対策の相談をしました。そこで実績のあった山洋電気の担当者を紹介してもらい,課題解決が進展することとなりました。
山洋電気の担当者は課題や要望を詳細にヒアリングしたうえで,リチウムイオン電池搭載の無停電電源装置「SANUPS A11K-Li」を提案しました。
「まずサイズの小ささに驚きました。提案していただいた『SANUPS A11K-Li』は,縦に積み上げるタイプなので,以前検討した鉛蓄電池のUPSの半分程度の大きさでした。これなら狭い研究所内にも十分設置できると期待できました。定格出力の場合,標準バックアップ時間が400分のモデルであれば,冷蔵庫のような負荷容量を10時間以上もバックアップできるとご提案いただきました。他社のUPSでは,もっと短時間のものはラインアップとしてありましたが, 1.5kVAでこれだけのバックアップできるUPSはありませんでした。さらに10年間バッテリ交換不要でメンテナンスの手間がかからない点にも強く惹かれました。」(D氏)
提案に満足したD氏は,さっそく「SANUPS A11K-Li」の導入を決定しました。
「『SANUPS A11K-Li』の設置後は,ビルの定期メンテナンスのたびに薬品を本社まで移送する必要がなくなり,所員の負担を大幅に減らすことができました。また,実負荷でのバックアップ可能時間が正確に表示されるとのことなので,停電時の運用が計画的に実施できると思いました。UPSがあるということは,突発的な停電への備えとともに,災害時の初動対策にも活用できるので日々の安心感につながっています。山洋電気にはまた何かあったら相談してみようと思います。」(D氏)
※リチウムイオン電池について詳しくはUPS(無停電電源装置)のバッテリー寿命を比較!もご参照ください。
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