デジタル化・自動化が急速に進む製造現場。そのなかでも,高度化した生産設備を不安定な電源から守り,安定稼働を維持するためにUPSの重要性が高まっています。一方でUPSを安心して運用するためには,定期的なメンテナンスが欠かせません。
各種生産システムや産業用ロボット・物流関連機器の製造販売をおこなうM社。同社は停電などによる製造ラインの停止を防ぐため,工場内に複数のUPSを導入していました。
しかし,いざ落雷で停電になった際に,UPSがバックアップ電源を供給せず,生産設備が停止してしまいました。UPSを導入しているのになぜ生産設備が停止したのか疑問に思い,原因調査を始めた生産管理部のR氏はこう語ります。
「調査したところ,原因はUPSのバッテリ消耗が想定よりも激しかったことで,バッテリの残量がなくなり停電時にUPSから電力供給されなかったことでした。さらに調査を進めたところ工場設備からも影響を受けていたことがわかりました。工場にある動力系の大型装置の起動により大きな電流が一瞬流れ,起動するたびに工場内の電圧が低下し,UPSがバッテリ運転へ頻繁に切り替わっていたことで,バッテリを予想以上に早く消耗させていたことが分かりました。バッテリ運転に切り替わるのは停電などが起きた時だけだと思っていたので驚きました。」(R氏)
また,メンテナンス面でもいくつかの問題に悩まされていました。
「バッテリ消耗の度合いはUPSによってバラバラで,バッテリ交換の管理がしきれていない状況でした。そのため,突然アラームが鳴ることもあり,そのたびにメンテナンスの対応をおこなわなければならなかったのです。時には生産設備を停止する事態になることもありました。再開には時間がかかり,生産効率にも影響が出ていました。」(R氏)
▲ハイブリッド方式の運転モード
R氏は他部署で取引のあった山洋電気に相談しました。山洋電気の担当者は課題を聞き取ったうえで,入力電源の変動範囲を確認し,常時商用給電方式と常時インバータ給電方式の切り替えをおこなう,ハイブリッド方式のUPS「SANUPS E11B」を提案しました。
「提案していただいたハイブリッド方式のUPSは,電源が安定しているときは常時商用給電方式で電力ロスを抑え,電源変動が大きい環境では常時インバータ給電方式に自動で切り替わり,省エネルギーを実現しながら,高品質な電力を安定的に供給します。さらに,入力範囲が広い仕様のUPSなので,電源変動が大きい環境下でもバッテリ給電への切り替えが抑制され,バッテリの消耗を防げます。これなら,バッテリ交換の頻度が減り,メンテナンスの手間が軽減できると期待できました。高い信頼性と省エネ性能を両立しており,スペック的には問題ないと判断しました。」(R氏)
▲ハイブリット方式の運転モード
さらにR氏はこうしたメリットに加え,山洋電気の手厚いバッテリ保証に着目しました。
「山洋電気の担当者から,無料のユーザ登録をすることで,通常1年の保証期間を3年に延長できるとの説明を受けました。バッテリ寿命は大体5年ですが,予想外にバッテリが劣化した場合,3年間は無償で交換してくれるそうです。他社の保証はほとんどが1,2年なので,このオプションは非常にありがたいものでした。加えて,バッテリの寿命に至る半年前にメールでお知らせを受け取ることができるため,バッテリ交換を忘れて停電時にバックアップができないといった,致命的な事故も防止でき,さらに事前にメンテナンス計画も立てられると思いました。」(R氏)
M社はほどなくして「SANUPS E11B」の採用を決定し,自社工場に導入しました。
「導入後,さっそく3年の保証延長を申し込みました。現在はバッテリの不具合や不必要なメンテナンスに意識を割かずに済むようになり,とても楽になりました。山洋電気にはいろいろと有益なアドバイスをいただき感謝しています。」(R氏)
*バッテリ無償提供サービスの提供には条件がございます。詳しくはこちらをご覧ください。
※リチウムイオン電池について詳しくはUPS(無停電電源装置)のバッテリー寿命を比較!もご参照ください。
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