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【使用環境別 UPSの選び方ポイント】搬送用エレベーター・シャッター

搬送用エレベーター・シャッターにおすすめのUPS(無停電電源装置)とは?ー起動電流への対応が鍵

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物流やビル管理において,搬送用エレベーターやシャッターは「荷物の移動」「安全確保」「業務効率化」を担う重要な設備です。
停電や電源トラブルが発生すると,これらの設備が停止し,業務に大きな影響を与えます。こうしたリスクを回避するために導入が検討されるのがUPS(無停電電源装置)です。
しかし,搬送用エレベーターやシャッターにUPSを導入する場合,モーター駆動特有の問題があり,これらを理解せずにUPSを選定すると,導入後に「UPSが止まる」「設備が故障する」といったトラブルが発生します

本記事では,UPSがない場合のリスク,よくある課題,そしておすすめのUPSの特長について詳しく解説します。

1.UPSがないとどんな電源トラブルが起こる?

UPSがない状態で停電が発生すると,搬送用エレベーターやシャッターはただ止まるだけではなく,業務や設備に深刻な影響を与えます。
ここでは,具体的なトラブルとその背景を詳しく見ていきます。

閉じ込め:安全の確保や緊急作業ができない

2009年9月以降に設置されたエレベーターには,停電の際に自動的に最寄りの階まで運転するための「停電時自動着床装置」が設置されています。しかし,装置をバックアップする電源(UPSなど)がない場合,自動的に最寄りの階に着床させることができません。

シャッターの場合,倉庫や工場の出入口が閉じたままになるため,荷物の搬入・搬出が完全にストップします。物流業務が止まると,出荷遅延や納期遅れが発生し,顧客への信頼低下や損失につながります。
例: 大型物流センターで停電が発生し,シャッターが開かないためトラックが荷物を積めず,数時間の遅延と損失が発生。

故障の原因になる:機械部品に過大な負荷

停電時,モーターが急停止すると,ブレーキやギヤに大きな負荷がかかります。この衝撃は摩耗や破損を招きます。
さらに,モーターや制御盤は電源が不安定な状態で動作すると,過電流や過電圧が発生し,電子部品の損傷につながります。
結果として,停電後に再起動しても正常に動作しないケースが発生します。

設定やデータが消える:復旧に時間がかかる

搬送用エレベーターやシャッターは,運転条件やログデータを保持しています。
停電時にこれらのデータが破損すると,再設定や調整が必要になり,復旧に数時間から数日かかることもあります。
また復旧作業はメーカーや保守業者の対応待ちとなり,業務停止が長引く場合もあります。

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2.搬送用エレベーター・シャッターをUPSでバックアップする際によくある課題

UPSを導入すれば停電時のリスクを軽減できますが,搬送用エレベーターやシャッター特有の課題があります。
ここでは代表的な2つの問題を詳しく解説します。

課題1:起動電流による過負荷

1つ目の課題は「起動電流による過負荷」です。
搬送用エレベーターやシャッターのモーターは,起動時に定格電流の数倍に達する「起動電流」を発生させます。例えば,起動時には通常運転の電流より5倍以上の電流になることがあります。この一時的な過負荷により,UPSが保護機能を働かせて停止するケースがあります。
UPSは通常,定格負荷に合わせて設計されています。起動電流に耐えられるようにするには,UPSの容量を大きくする必要があります。しかし,容量を増やすとコストが急増します。
この課題を解決するには,過負荷耐量の高いUPSを選定することが大切です。

起動電流と定格電流の関係

課題2:設置スペースの狭さ

2つ目の課題は「設置スペースの狭さ」です。
搬送用エレベーターの機械室や制御盤周辺は,もともと必要最低限の機器が詰め込まれていることが多く,床面積や通路幅,保守作業スペースなどの制約によって,大型で重量が重いUPSは物理的に置くことができないケースがよくあります。特に既存ビルや古い設備では,機械室自体の寸法が小さく,新しい機器を追加する余裕がない場合も少なくありません。
小型・軽量で設置性が柔軟なUPSであれば,壁面設置や棚置きなど多様なレイアウトに対応できます。

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3.搬送用エレベーター・シャッターにおすすめの山洋電気のUPS:N11D

N11D

N11D

山洋電気のUPS「SANUPS N11D」 は,過負荷耐量が高く,柔軟な設置性があるため,搬送用エレベーター・シャッターに最適なUPSです。

特長1:過負荷耐量は定格容量の2倍

バックアップ運転時にも200%※1の過負荷耐量を発揮し,搬送用エレベーターやロボット,モーター駆動の装置など,一時的に大きな電力を必要とする機器の安定稼働を力強く支えます。
通常のUPSの場合,一時的な過負荷に合わせて容量の大きなUPSを選ぶ必要がありますが,「SANUPS N11D」は機器に合せて従来よりも小さい容量のUPSを選定することで,UPS導入費用を削減できます

※1 鉛バッテリ・リチウムイオンバッテリモデルは1秒間,EDLCモデルは0.2秒間

過負荷耐量の違い

特長2:多彩なラインアップと柔軟な設置性

電源が単相2線のUPSとしては業界で初めて※2 長寿命・軽量なリチウムイオンバッテリモデル(N11D-Li)や,瞬時電圧低下補償に適したEDLCモデル(N11D-C)を,鉛バッテリモデル(N11D)に加えて同時にラインアップしました。用途や保守要件に合わせて最適なモデルを選択できます。
薄型構造のため,壁掛けもでき,制御盤や装置内部への組み込みが容易です。UPSユニットとバッテリユニットを分離設置できるので※3,設置場所の自由度が大幅に広がります

※2 2026年1月16日現在。当社調べ。電源が単相2線の仕様のUPSとして。
※3 鉛バッテリモデル,リチウムイオンバッテリモデル。

▼設置例

設置例


▼ラインアップ
搬送用エレベーター,シャッターのバックアップに最適なラインアップをご用意しています。
2026年1月16日 SANUPS|プロダクトニュース|製品情報|山洋電気株式会社

【注意】
本製品は一般設備向けに設計されたものであり,以下の用途には使用できません。
 ●消防法・火災予防条例に基づく消防用設備の非常電源
 ●建築基準法に基づく防火設備・防災設備の予備電源
また,エレベータ,リフト,その他の昇降機は,建築基準法,労働安全衛生法を含む関連法令および昇降機固有の技術基準の適用を受けます。
本製品をこれらの設備に使用する場合は,関係法令との適合性をご確認のうえ,適切にご判断ください。

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監修:山洋電気株式会社 エレクトロニクスカンパニー 設計部主任技師グループ長 降幡 賢 

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