
H氏が別件で来社していた山洋電気の営業担当者にこうした課題を相談したところ,常時商用給電方式の“低コスト”と,常時インバータ給電方式の“高信頼性”という2つの長所を取り入れた「ハイブリッドUPS」の提案を受けます。強く興味を持ったH氏はさっそく詳しい話を聞くことにしました。
提案された山洋電気の「ハイブリッドUPS」は,常時商用給電方式のような停電時の“瞬断”が発生しない特長を持ちますが,常時インバータ給電方式に比べ安価です。
「常時インバータ給電方式のように停電時にも完全な正弦波を継続供給できる性能はまさにわれわれが求めていたものでした。装置コストを抑え安定稼動を実現するという課題がすんなりとクリアできると確信しました。
また,効率優先モード,アクティブフィルタモード,給電品質優先モードの3つのモードから電源事情に合わせて最適なものを自動選択するので,常時インバータ方式に比べて効率が高いところもメリットでした。」(H氏)
また,H氏は海外でも問題なく使える点にも着目しました。
「100V,200V系のラインアップがあり,UL/CEにも対応しているので海外でも国内と同様に使えます。また,付属の電源管理ソフトの言語選択によって英語対応も可能です。ソフトは標準添付なので,設定のためにお客さまが別途オプションを購入する必要がないことも好感が持てました。さらに,床固定金具などの設置用部品を短納期で準備できるなど,工場内のFA機器への設置に迅速に対応できることも非常にありがたいメリットでした。」(H氏)
こうして山洋電気製「ハイブリッドUPS」の採用を決定したR社。導入後,開発は順調に進み,数ヵ月後にリリースされた部品実装検査装置は,国内外ともに問題なく稼働し,ユーザーより高い評価を得ることができました。
H氏はこう語っています。
「これまで山洋電気とはサーボシステムの取引のみだったので,UPSを取り扱っていることを知りませんでしたが,今回相談したことで,最適なUPSの提案を受けることができました。山洋電気の営業さんは自社製品について幅広く知識を持っていることがわかったので,今後,開発で困ったらまずは山洋電気に相談してみようと考えています。」