TECH COMPASS
現場課題を,解決へと導く技術が見つかる
山洋教室
停電の基礎知識と対策「8時間目」

停電対策装置の使い分け

停電などの電源トラブルを回避する場合は,前回まで紹介したUPSを使用することが一般的ですが,特高受電の場合,電力会社と2回線受電の契約をするという選択肢もあります。この場合,「停電」になる確率が小さくなるので,「瞬停対策装置」「瞬低補償装置」で充分対応できるとも言えます。
山洋電気の「瞬時電圧低下補償装置」は瞬停・瞬低両方ともカバーできますが,「瞬低対策装置」の多くは「瞬低」だけの対策装置になります。

瞬停対策装置とUPSとの違い

当社の瞬時電圧低下補償装置とUPSと大きな違いは蓄電デバイスです。UPSは主に鉛蓄電池を使用しますが,瞬時電圧低下補償装置は電気二重層キャパシタ(コンデンサ)を使用します。電気二重層キャパシタは瞬間的に大きな電流の受電・放電に優れているので,瞬低・瞬停のように短い時間に大きな電力を放出する装置に利用されています。瞬停対策装置では電解コンデンサを使用するメーカーもあります。

また,UPSには給電方式が3種類ありますが,瞬停対策装置などには常時インバータ給電方式を採用するメーカーが無いため給電方式は2種類で,一般的には「常時商用給電方式」がほとんどのため2ms程度の瞬断をともないます。山洋電気は「パラレルプロセッシング給電方式」を採用していますので無瞬断です。
常時商用給電方式は5時間目で説明した通り,インバータ給電に切替える際に,約2~10msの瞬断が発生します。この瞬断に耐えられない電気機器は,山洋電気のパラレルプロセッシング給電方式をおすすめします。

さて,これまで学んできた電源対策装置とその特徴を表にまとめてみましょう。

常時商用給電方式 常時インバータ給電方式 パラレルプロセッシング給電方式
消費電力
出力電圧精度
突入電流対応 ×
高調波対策 ×
無瞬断切替 ×

ここまで,電源トラブルとその対策装置を学んできました。電源対策装置を選定するとき,蓄電デバイスの種類や運用コストなどと合わせ,ぜひこれまで一緒に学んだ知識を活用してください。もちろん,対策装置の選定でお悩みの際は,いつでも山洋電気にご相談ください。
以上,「停電の基礎知識と対策」でした。

執筆者:山洋電気株式会社 営業本部 シニアセールスエンジニア 西澤 敏幸

公開日:

停電の基礎知識やUPSの活用事例・課題解決事例集

    
  • 「停電の基礎知識と対策」まとめ版
  • UPSなどの電源装置による停電対策,瞬低・瞬停対策,BCP対策,メンテナンス工数削減,災害対策などに関する課題解決資料
  • UPSの屋外利用,工場設備利用,食品工場での利用などに関する導入事例資料
< 前の記事へ7時間目 パラレルプロセッシング給電方式
UPS・パワコン
地方銀行ATMのUPS,サポート体制やバッテリ交換コストに不満の声が…
10年間バッテリ交換不要,現場の負担を軽減した解決策とは?
UPS・パワコン
東南アジアで増加する,瞬低・瞬停で電子部品工場の生産効率が低下…
瞬低・瞬停の動作トラブルをゼロにした「瞬時電圧低下補償装置」とは
UPS・パワコン
UPSが知らぬ間に故障!? 短いバッテリ寿命も悩みの種に
「故障0台」と複数UPSの一括監視を実現した提案とは?
メールマガジン登録