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ファンの基礎知識「8時間目」

軸流ファンの特徴・構造・使い方

ここまで,ファン選定の際に考慮する条件について学んできました。8時間目からは,ファンの種類ごとに,それぞれの特徴を見ていきます。まずは一番よく知られている軸流ファンを紹介します。

軸流ファンの構造

軸側ファンは,ファン全体を支えるフレームの方へモータが配置され,その周囲に羽根が配置されています。ラベル側から見たときに羽根が時計方向または反時計方向に回転します。図1ファンの場合,風はラベルの後方から吸い込み前方へ吐き出します。このように風の流れる向きと,回転する羽根の中心軸の方向とが同じことから軸流ファンと呼ばれます。

▲図1:軸流ファンの構造
▲図1:軸流ファンの構造

軸流ファンの特性

▲図2:通風抵抗と風量-静圧特性例
▲図2:通風抵抗と風量-静圧特性例

軸流ファンは図2のような風量-静圧特性(P-Q特性)を持っています。 風量が増加していくと静圧が低下していき,右下がりの特性となります。また,途中で傾きが大きく変化する「旋回失速領域」が現れるのも軸流ファンの特徴です。

旋回失速領域とは,失速が現れ始める領域です。 最大風量側において,空気は羽根の表面に沿ってきれいに流れますが,静圧が高くなっていくと,空気は羽根の表面から離れた流れに変わっていきます。この状態を失速と言います。

旋回失速領域では空気が羽根の表面をきれいに流れたり,離れたりを繰り返す不安定な状態になります。これを境に,消費電力と音圧レベルも大きく変化します。

▲図2:通風抵抗と風量-静圧特性例
▲図2:通風抵抗と風量-静圧特性例

軸流ファンをうまく使うには

軸流ファンは高風量,高静圧,低騒音などの特徴をもったラインアップが豊富で,送風・換気・局所冷却などさまざまな場面で使われています。
軸流ファンを装置に搭載する際には,旋回失速領域を境とし,ファンの動作点を最大風量側にすることで,装置の騒音や電力を下げることができるので,ぜひ今回学んだ内容を活かして実践してみてください。

監修:山洋電気株式会社 クーリングシステム設計部

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