
屋外や工場内など,水や埃がある環境で使用される装置。これらに組み込まれるファンもまた,防水防塵性能が求められます。
この記事では,防水ファンの仕組みや特徴,保護等級(IPコード)の解説,そして具体的な採用事例について詳しく紹介します。
防水ファンの仕組みについて説明します。
水のかかる環境でも使用できる,防水性能を持ったファンです。
モータと回路基板を樹脂でコーティングしているため,活電部への水や塵埃の侵入が無い構造になっています。
当社防水ファンシリーズの保護等級(IPコード)は,IEC60529に基づき,モータコイルと電気部品の活電部にのみ適用されます。活電部以外の機械的部品(羽根やベアリングなど)については,評価の対象外ですので,結露や水の掛かり方等の使用環境の条件によっては,ベアリング等の保護対象以外の部品に影響を及ぼす可能性があります。
長期間,継続的に粉塵,水のかかる環境,結露をともなう環境で使用する場合は,使用状況に応じた対策,評価をお願いします。
※詳しくは, ファンに関する安全上のご注意をご確認ください。
防水性能を示す保護等級(IPコード)とは,機器内にある電気部品(ファンの場合,電子部品およびモータコイル)への,異物の侵入に対しての保護を0~6まで,水の浸入に対しての保護を0~8までの等級で表したものです。たとえばIP65の場合は,異物の侵入に対しての保護が「6・耐塵形」,水の侵入に対しての保護が「5・噴流に対して保護」になります。
必要とされる保護等級は,使われる環境により異なりますが,一般的にはIP55,65,67,68などの等級が多く使用されており,当社の防水ファンはIP54~IP68の防水性能を有しています。
※保護等級(IPコード)は,IEC(国際電気標準会議)60529で規定されています。
ではここからは,実際の装置で活躍している防水ファンの採用事例をご紹介します。
• 防水ファンシリーズの保護等級(IPコード)は,IEC60529に基づき,モータコイルと電気部品の活電部にのみ適用されます。活電部以外の機械的部品については,評価の対象外です。長期間,継続的に粉塵,水のかかる環境,結露をともなう環境で使用する場合は,使用状況に応じた対策,評価をお願いします。
• 装置のメンテナンス時,ファンを洗浄しないでください。故障のおそれがあります。
※詳しくは, ファンに関する安全上のご注意をご確認ください。
※本事例で採用のファンの場合
事例の詳細はこちらからご覧ください: “耐久性”,“信頼性”,“省エネ”の高い要求を満たす防水ファンとは?
事例の詳細はこちらからご覧ください: “高静圧な「防水遠心ファン」で屋外設置もクリア!
事例の詳細はこちらからご覧ください: “IP68のPWMコントロール機能付き防水ファンで最適な発酵管理を実現
上記の事例以外にも,防水ファンの多数の採用実績がございます。
ファンの選定にお困りの際は,お気軽にお問い合わせくださいませ。
当社山洋電気では,さまざまな用途や装置に対応する,多くの防水ファンをラインアップしています。
・保護等級「IP68」「IP55」「IP54」の防水・防塵性能を実現しています。
・約20年(180,000時間※)の期待寿命を持つ「防水長寿命ファン(9WLタイプ)」もラインアップしています。
※屋内環境,L10:残存率90%,60℃,定格電圧,連続運転,フリーエアー状態
・保護等級「IP68」「IP55」「IP54」の防水・防塵性能を実現しています。
・遠心方向に風を送り出すことができるため,装置内のスペースが狭い機器を含め,さまざまな装置で効率的な冷却や換気ができます。
・保護等級「IP68」の防水・防塵性能を実現しています。
・軸方向から吸い込んだ風をほぼ垂直に吐き出します。
・静圧が高いため,通風抵抗の高い装置の吸排気に適しています。
・保護等級「IP56」「IP68」の防水,防塵性能です。
・ACDCコンバータを内蔵しているため,DC電源を用意する必要がなくAC電源にて直接駆動できます。低消費電力や長寿命などDCファンのすぐれた特性をAC電力で得ることができます。
・防水ACDCファン(軸流),防水遠心ACDCファンをラインアップしています。
・保護等級「IP68」の防水,防塵性能です。
・従来品9WPタイプに比べ,最大風量,最大静圧が向上しました。
・PWMコントロール機能により,ファンの回転速度を制御できるため,装置の低騒音,省エネルギーに貢献します。
2025年1月発売 業界トップの高静圧 ☐120 × 25 mm厚 防水ファンを発売
EV充電器,蓄電池,太陽光発電用インバータ,デジタルサイネージ,植物工場など高い防水・防塵性能が求められる用途に適した製品です。
山洋電気ではこれまで培ってきたさまざまな技術を応用し,ファンの防水性などの耐環境性を高めてまいりました。ファンを設置する環境が特殊でお困りの際は,ぜひ山洋電気へご相談ください。
監修:山洋電気株式会社 営業本部 San Aceグループ グループ長 植木 竜司
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