装置の高性能化,高密度化に伴い,機器の発熱は増加しており,冷却技術の重要性が高まっています。
冷却ファンの特性や動作状態を理解して最適な冷却ファンを選ぶことが,装置の性能の向上には重要です。
ポイントをピックアップしてご紹介しています。詳しくは基礎知識をわかりやすくまとめた資料を無料でダウンロードして,ぜひご活用ください。
装置の大きさや発熱量に応じて適切なサイズの冷却ファンを選ぶ必要があります。
冷却ファンが大きすぎると無駄なスペースをとり,逆に小さすぎると冷却性能が不足する可能性があります。
小型でも冷却性能が優れたファンを選ぶ必要があります。
電圧,周波数,消費電力などを確認し,既存の電源システムと適合する冷却ファンを選ぶことが必要です。異なる国や地域で使用する場合は,電源仕様が異なるため注意が必要です。
冷却ファンの風量とは風が出る量であり,静圧とは風が静止した状態で周囲を押す力のことです。
また,基本的に,冷却ファンの風量は回転速度に比例し,静圧は回転速度の2乗に比例します。つまり,回転速度を2倍にすると風量が2倍に,静圧が4倍になります。この法則を使用することで,現在の風量と静圧の数値を基に,目的のPQ特性図を概算することができます。
「通風抵抗」は装置内の空気の流れにくさのことで,「システムインピーダンス」とも言われます。搭載する冷却ファンを変えても装置に配置された部品の位置や数量が変わらない限り,通風抵抗はほとんど変わりません。
一般的に通風抵抗は風量の2乗に比例する2次曲線で近似することができます。2次曲線の傾向としては,通風抵抗が低い(空気が流れやすい)場合は曲線がX軸方向に傾き,通風抵抗が高い(空気が流れにくい)場合はY軸方向に傾きます。
冷却ファンは設置環境によって性能が発揮できない場合があるため,温度・湿度・粉塵の有無を考慮した冷却ファンを選ぶ必要があります。水や油がかかるような環境でも使用出来る防水ファン・防油ファンを検討する必要があります。
防水ファンについては保護等級(IPコード)も確認が必要です。
※詳しくは【ファンの種類と特長】耐環境ファン 防水ファン・防油ファン・耐温ファン・耐Gファンの特徴
冷却ファンの騒音は音圧レベル「dB(A)」という単位で表示されます。(A)は,A特性の音圧レベルを示しています。A特性とは人間が聞こえる周波数を考慮して補正された値で, JIS規格で補正値が定められています。
冷却ファンの仕様書には,冷却ファンが定格で回転しているときの音圧レベルが記載されています。人が近くにいる環境では,騒音を減らした静音設計が求められる場合があります。
騒音対策としては,入力するPWM信号のデューティ比に応じてファンの回転を制御することができるPWMコントロール機能付きファンもおすすめです。
※詳しくは【ファンの基礎知識】6時間目 ファンの騒音と音圧レベル/【ファンの基礎知識】PWMコントロール機能付きファンの特長(回転数を制御するには)
一般的に冷却ファンの寿命とは,ある一定期間連続運転することで,「一定以上の送風能力の低下」「一定以上の騒音の増加」を基準に定義しています。
ファンの寿命は装置の寿命を左右します。冷却ファンの寿命が装置より短いと,装置のメンテナンスとして,冷却ファンの交換が必要になってしまいます。
特定の要件や環境に応じたカスタマイズが必要な場合,柔軟に対応できるメーカーを選ぶことがプロジェクトの成功に寄与します。また,カスタマイズ部分も保証に含まれるかも確認しましょう。
ポイントが分かったら,実際に山洋電気のプロダクトサイトで条件から冷却ファンを絞り込むことができます。ぜひご活用ください。
山洋電気では,多様なファンのラインナップ,お客さまのご要望に合わせた各種カスタマイズやファンの全品検査などで,お客さまのビジネスをサポートします。
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